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米11月住宅着工件数、一戸建てが牽引し景気後退前の水準へ増加

by • December 20, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off2164

Housing Starts Jump To The Highest In 10 Years, Driven By Single-Home.

米11月住宅着工件数は年率129.7万件と、市場予想の125.0万件を上回った。前月の125.6万件(129.0万件から下方修正)を3.3%上回り、2ヵ月連続で増加。リセッション前にあたる2007年8月以来の高水準を達成している。前年比では12.9%増と、年初来で最大の伸びを果たした。

内訳をみると、一戸建てが前月比5.3%増の93.0万件と2ヵ月連続で力強い伸びだった半面、複合住宅は1.6%減の36.7万件と過去5ヵ月間で3回目の減少を示した。前年比は一戸建てが13.0%増と、2016年9月から続く増加トレンドを維持。複合住宅は12.6%増のと、前月の18.4%減から増加に転じた。4大地域別では、2地域で増加。南部と中西部はそれぞれ2桁増だったが、複合住宅が多い北東部と中西部が2桁減を示した。

米11月建設許可件数は129.8万件となり、市場予想の127.0万件を超えた。2007年8月以来で最高の水準だった前月の131.6万件(129.7万件から上方修正)を1.4%下回りつつ、米12月NAHB住宅市場指数が上振れしたように好調な推移を保つ。内訳をみると、一戸建てが1.4%増の86.2万件と3ヵ月連続で増加したが、複合住宅は6.4%減の43.6万件と減少に転じた。

米11月建設中件数は前月比1.0%増の111.0万件だった。2007年10月以来の高水準となる。一戸建てが2.5%増の49.9万件と4ヵ月連続で増加したが、複合住宅は0.2%減の61.1万件と5ヵ月ぶりに減少した。

住宅着工から建設中件数まで、住宅在庫縮小を受け増加しリセッション前の水準を回復。

hs
(作成:My Big Apple NY)

――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が住宅市場に流入すると試算されるため、69.8万件が販売向けとなる見通しです。足元の新築販売件数を小幅ながら上回るため、一段の在庫逼迫は回避できる見通し。足元、ミレニアル世代の住宅購入観測もあり住宅市場は追い風が吹いています。住宅価格の上昇は前年比で6~7%台と平均時給の伸び率の倍近くと引き続き高止まりの状況でありながら、3%成長に裏打ちされる好調な経済を反映しているのでしょう。今後は金利が一段と上昇するような局面での住宅市場が拡大できるのか、試されます。

(カバー写真:Sarah Miller/Flickr)

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