Housing Price Index Rises Amid Tax Reform Talk In October.
10月のS&P/ケースシラー住宅価格指数とFHFA住宅価格指数、各地区連銀の製造業景況指数をおさらいしていきます。
米10月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は前年比6.17%上昇の195.63となり、前月の195.31(195.51から下方修正)を抜け過去最高を更新した。20都市別の季節調整前では前年同月比6.38%上昇の203.84と市場予想の6.25%を上回った。前月の6.16%(6.19%から下方修正)を超え、2014年6月以来の高い伸びを達成している。指数ベースでは少なくとも2006年11月以来の高水準となり、5年4ヵ月連続でのプラス圏を保った。季節調整済み・20都市別の前月比は0.70%の上昇と、市場予想の0.60%を上回った。前月の0.97%(0.52%から上方修正)を超えた。
20都市別での季節調整済みベース・前月比でトップはネバダ州ラスベガスで1.41%の上昇、2位はカリフォルニア州サンディエゴで1.22%の上昇、3位はこれまでワースト圏内にいたニューヨーク州NYが0.84%の上昇を示した。ワースト1位はフロリダ州マイアミで0.12%の上昇、続いてアリゾナ州フェニックスとワースト圏で常連のミネソタ州ミネアポリスがそれぞれ0.38%の上昇を示した。
▽米10月住宅価格指数は予想以下も、前年比は6%台の伸びを維持
米住宅金融公社(FHFA)が発表した米10月住宅価格指数は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.4%を上回った。前月の0.5%(0.3%から上方修正)と合わせ、20 ヵ月連続でプラスを示す。前年比は6.6%上昇し、9月の6.3%を超えた。国勢調査ベースの9地域別では8地域で上昇し、前月の9地域を下回った。
FHFAが公表する住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボ・ローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
――住宅価格はS&Pケースシラー住宅価格指数とFHFAの住宅価格指数共に前年比6%台の伸びなり、10月平均時給の倍以上の勢いを保ちました。住宅価格の上昇は、税制改革の協議と無縁ではないでしょう。結局、12月22日にトランプ大統領が署名した税制改革法案は住宅ローン利子の控除を適用できるローンの上限は現行の100万ドルから75万ドルへの引き下げにとどまりましたが、協議中は50万ドルへの引き下げが検討されていました。投資家が金利負担を少しでも軽減する目的で高額物件の購入を前倒ししたと考えられ、年末まで上昇ペースの加速が続きそうです。
▽12月の各地区連銀製造業景況指数、星取表
ダラス連銀、リッチモンド連銀の発表により、漸く5地区連銀の製造業景況指数の結果がそろいました。12月はフィラデルフィア連銀が前月を上回ったほか、ハリケーン被災地を含むダラス連銀が2006年3月以来の水準へ上昇したものの、他3連銀での景況感指数は前月を下回りました。製造業活動は、地域ごとにまちまちとなっています。
11月の鉱工業生産は底堅さを見せた半面、耐久財受注は輸送機器を除いた場合で減少に転じており、経済指標も方向性が一致していません。12月のISM製造業景況指数、エコノミスト予想平均は12月27日時点で11月と変わらずの58.2と予想されていますが、同水準近くに収斂する可能性が高まってきました。
(カバー写真:elycefeliz/Flickr)
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