South And West Regions Push Pending Home Sales In December.
米12月中古住宅販売成約件数指数と、米10~12月雇用コスト指数をおさらいしていきます。
米12月中古住宅販売成約件数指数は前月比0.5%上昇の110.1となり、市場予想と一致した。前月の0.3%(0.2%から上方修正)の上昇を含め、3ヵ月連続でプラスに。金利上昇局面でも、堅調に推移している。過去6ヵ月間で3回目の上昇となった。ただし指数としては高い水準を保つ。季節調整前の前年比では1.8%低下、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。
4大地域別では、11月に続き前月比にて2地域で上昇。住宅規模が最も大きくハリケーン被災地が集まる南部が2.6%上昇し3ヵ月連続で上向いた。西部は1.5%上昇、3ヵ月ぶりにプラスに転じている。一方で北東部が5.1%低下し3ヵ月ぶりに落ち込み、中西部も0.3%と4ヵ月ぶりにマイナスへ沈んだ。
発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「成約件数は緩慢ながら上昇モメンタムを確認した」と振り返る。引き続き労働市場が拡大するほか「賃金も漸く上向いた」、ことから、一段の金利上昇を警戒し潜在顧客が住宅市場に参入する見通しとの見解も寄せた。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
――米12月中古住宅販売成約件数指数は、住宅規模の大きな南部と西部で増加したとはいえ、前年比で落ち込んだように力不足の感は否めません。引き続き在庫不足に直面する上、金利上昇も重なり、中古住宅販売件数が伸び悩む蓋然性は高いと言えるでしょう。
▽米10~12月期雇用コスト指数、前年比では2008年以来の力強さを示す
米10~12月期雇用コスト指数は前期比0.6%の上昇となり、市場予想に並んだ。前期の0.7%に続き、高い伸びを維持している。内訳をみると、賃金・給与と福利厚生がそろって0.5%上昇と、堅調だった。内訳をみると、民間の賃金が0.5%上昇、政府も0.8%の上昇と、力強いモメンタムを保つ。福利厚生も民間が0.4%上昇、政府に至っては1.0%と直近で最高の伸びを示した。
雇用コスト指数は前年同期比2.6%上昇し、2015年1~3月期以来に続き2008年7~9月期以来の高いレベルに達した。賃金が2.5%と前期と同率の伸びとなり、賃上げ圧力が徐々に高まってきた可能性を示した。福利厚生も2.5%と前期の2.4%を超えた。
雇用コスト指数は上向き、平均時給は伸び悩み。
―― 雇用コスト指数のは強含みの様相を呈してきました。1月ベージュブックで明記されたように、物価の芽吹きを感じさせます。平均時給の前年比はラグを伴って上向くと考えられ、イエレンFRB議長最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で物価の文言を上方修正させたのも、頷けます。
(カバー写真:Dan Moyle/Flickr)
Comments
米1月消費者信頼感指数、見通し指数が支え17年ぶり高水準に近づく Next Post:
1月のADP全国雇用者数は20万人乗せ、採用予定数も前月比で大幅増