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米2月消費者信頼感指数は17年ぶり高水準、耐久財は弱含み

by • February 28, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2073

Consumer Confidence Hits 17-Year High, Durable Goods Disappoint.

米2月消費者信頼感指数と米1月耐久財受注をおさらいします。

米2月消費者信頼感指数は130.8となり、市場予想の126.5を上回った。前月の124.3(125.4から下方修正)を超え、2000年11月以来の水準へ上振れした。内訳をみると、現況指数が162.4と前月の154.7(156.6から下方修正)から上昇、2001年2月以降で最高となる。見通し指数も109.7と前月の104.0(105.5から下方修正)を超え、2002年5月以来の高水準だった。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果を受け「現況指数が牽引し労働市場のDIに寄与、米株安で高まる変動にも関わらず、所得やビジネスに楽観度が高まった」と振り返った。税制改革実現に関わる不透明性」を挙げた。もっとも、消費者の間で「2017年後半の成長拡大ペースが続くと確信している」と結んだ。

消費者信頼感指数、2000年11月以来で最高を更新。

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(作成: My Big Apple NY)

現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは24.7と、前月の20.9(21.2から下方修正)を上回り、2001年4月以来で最高を記録した。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」が上昇し、「悪い」が低下
「良い」35.8%→前月の35.0%から上昇、前年同月は28.3%
「悪い」10.8%→前月の13.0%から低下、前年同月は13.4%

労働市場については「豊富」が上昇し「困難」が低下、DIは20ヵ月連続でプラスを示す
「職が豊富」39.4%→前月の37.2%から上昇、前年同月は28.3%
「あまり職が豊富ではない」45.9%→前月の46.5%から低下、前年同月は53.2%
「職探しが困難」14.7%→前月の16.3%から低下、前年同月は19.9%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が上昇し、「悪化する」が低下
「良くなる」25.8%→前月の21.5%から上昇、前年同月は23.9%
「悪化する」9.4%→前月の9.8%から低下、前年同月は10.5%
「変わらず」64.8%→前月の68.7%から低下、前年同月は65.6%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が上昇し「減少」が低下、「増加」が17ヵ月連続で「減少」を上回る
「雇用が増加する」21.6%→前月の18.7%から上昇、前年同月は20.9%
「雇用が減少する」11.9%→前月の12.5%から低下、前年同月は13.6%
「変わらず」66.6%→前月の68.8%から低下、前年同月は65.5%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」が上昇し、「減少」が低下
「増加する」23.8%→前月の20.6%から低下、前年同月は19.2%
「減少する」8.6%→前月の7.9%から低下、前年同月は8.1%
「変わらず」67.6%→前月の71.5%から低下、前年同月は72.7%

購入見通しは、自動車以外が低下した。自動車は13.0%と、前月の13.0%を超え3ヵ月ぶりの高水準となる。対して家電は49.6%と、3ヵ月ぶりに50%割れ。住宅は6.0%と、前月の7ヵ月ぶりの低水準に並んだ。

▽米1月耐久財受注、コア資本財受注が2ヵ月連続で減少

米1月耐久財受注は前月比3.7%減となり、市場予想の2.0%減を下回った。前月の2.6%増(2.8%増から下方修正)より弱く、3ヵ月ぶりに減少。減少率は、6ヵ月ぶりの大きさとなる。

内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財が0.3%減と、市場予想の0.4%増に反する結果となった。前月の0.7%増を下回り、増加トレンドを6ヵ月で止めている。輸送用機器は10.0%減と、前月の6.4%増(修正値)を下回り、3ヵ月ぶりに減少。民間航空機が28.4%減と、前月の増加(16.2%増、修正値)より弱く、3ヵ月ぶりに落ち込み輸送機器を押し下げた。逆に自動車は0.1%増と、前月の0.1%減(修正値)を打ち消している。防衛財は26.3%減、前月の16.2%増(修正値)から転じ、3ヵ月ぶりに減少。企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.2%減と、市場予想の0.5%増に反する結果となった。前月の0.6%減を含め、2ヵ月連続で減少した。

耐久財出荷は前月比0.2%増となり、前月の0.5%増(修正値)を下回った。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。前月の0.7%増(0.4%増から上方修正)にも届かなかったが、12ヵ月連続で増加した。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.3%増となり、前月の0.5%増(修正値)を含め13ヵ月連続で増加した。出荷の伸びが在庫を上回ったものの、在庫相当は3ヵ月連続で1.65ヵ月だった。

――耐久財受注はコア資本財受注が2ヵ月連続で弱かったものの、足元で製造業センチメントは上向きを示す内容が優勢です。

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(作成:My Big Apple NY)

税制改革法案の成立で設備投資の拡大が期待され、2017年の成長率をみても企業の設備投資を表す機器投資を中心に成長に寄与してきました。法案成立後、企業の底力が試されます。

(カバー写真:Roderick Eime/Flickr)

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