Capital Goods Orders Decline After 4 Straight Months Of Strong Gains.
米8月耐久財受注は前月比4.5%増となり、市場予想の2.0%増を上回った。前月の1.2%減(1.7%減から上方修正)から改善した。
内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.1%増と市場予想の0.4%増を下回った。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)を含め、7ヵ月連続で増加している。輸送用機器は13.0%増と、前月の3.7%減(修正値)を上回った。振れの大きい民間航空機が69.1%増と前月(29.1%減、修正値)から大幅増に転じ、輸送機器を押し上げている。米8月新車販売台数が2ヵ月連続で1,700万台を割り込むなか、自動車は3.2%増と2ヵ月連続で力強い伸びを示した。防衛財は44.4%増と、前月の6.1%減(修正値)から大幅増に転じた。
企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.5%減と、市場予想の0.5%増を大きく下回った。前月の1.5%増(1.6%増から下方修正)にも届かず、5ヵ月ぶりの減少となる。内訳をみると、コンピューター・電子機器が0.5%減と6ヵ月ぶりに減少し、全体を押し下げている。機械は0.1%増と5ヵ月連続で増加し、電気機器は0.6%増と前月の減少からプラスに転じた。鉄鋼・アルミ関税の影響が及ぶと考えられる一次金属は0.9%増と、4ヵ月ぶりに増加した。組み立て金属は、±0%だった。
耐久財出荷は前月比0.8%増となり、前月の0.1%減(修正値)から改善した。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.1%増と、市場予想の0.5%増に届かず。前月の1.1%増(1.0%増から上方修正)も下回りつつ、5ヵ月連続で増加した。
(作成:My Big Apple NY)
耐久財在庫は0.4%減となり、前月の1.2%増を下回った。出荷が増加した一方で在庫が減少した結果、在庫相当は1.61ヵ月と前月の1.63ヵ月から短縮した。
――耐久財受注は、GDPに反映されるコア資本財出荷が減速しました。在庫も落ち込んだため、アトランタ地区連銀は米7~9月期実質GDP成長率予測値を従来の4.4%増から3.8%増へ下方修正しています。耐久財受注や在庫の弱含みに加え、貿易赤字の拡大が影響しました。
では、あらためて各連銀が発表する製造業景況指数をみてみましょう。5地区連銀中、フィラデルフィア、リッチモンドが前月を上回りました。一方で、NYやカンザスシティ、ダラスは低下しています。9月ベージュブックの経済拡大を示す形容詞では、フィラデルフィア連銀が「緩慢」とカンザスシティ連銀が「緩慢」と総括。また、追加関税をめぐってはカンザスシティ連銀が農業の問題として取り上げていました。
6ヵ月先の設備投資見通しは、NY、フィラデルフィア、ダラスの各連銀の平均値で28.0。ハリケーンの直撃を受けた2017年8月以来の低水準近くへ低下した。
これまで絶好調だった企業の設備投資に、鈍化の兆しが現れました。夏休みを挟む8月の一時的現象なのか、見極めが必要です。
(カバー写真:Alexander Affleck/Flickr)
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