Personal Spending Increase Steadily, Inflation Rises Moderately.
米8月個人消費支出は前月比0.3%増と、市場予想と一致した。前月の0.4%増を下回りつつ、6ヵ月連続で増加している。前年比では5.3%増となり、2007年11月以来の力強い伸びを示した。インフレを除く実質ベースでの個人消費は市場予想通り0.2%増と、前月の0.3%増(±0%から上方修正)を下回りつつ、5ヵ月連続で増加。前年比では2.8%増となり、8ヵ月ぶりの高水準だった。
個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米8月新車販売台数が芳しくなく耐久財を押し下げたものの、非耐久財とサービスが力強く増加し耐久財の減少を補った。
・モノ 0.270%増、前月の0.523%増を下回りつつ6ヵ月連続で増加
>耐久財 0.102%減、前月の0.480%増から減少に反転
>非耐久財 0.446%増、前月の0.548%増を下回りつつ6ヵ月連続で増加
・サービス 0.360%増、前月の0.412%増を含め増加基調を維持
個人所得は前月比0.3%増と前月と並びつつ、市場予想の0.4%増を下回った。とはいえ、30ヵ月連続で増加している。前年比では4.7%増と、7月の4.8%増を下回った。実質ベースでは前月比0.2%増と前月と変わらず、14ヵ月連続で増加。前年比も6月と並び2.4%増だった。
可処分所得は7月に続き前月比0.3%増となり、14ヵ月連続で増加した。前年比は5.2%増と、7月の5.3%増を下回りつつ2015年2月以来の高水準近くを保つ。実質ベースの可処分所得は7月に続き前月比0.2%増となり、14ヵ月連続で増加。前年比も7月に並び2.9%増と、2015年11月以来の3%乗せを果たした6月の3.0%増に近い水準となる。貯蓄率は2ヵ月連続で6.6%、年初来で最低を維持した。
実質ベースでの個人消費支出の伸びは所得を上回ったものの、貯蓄率は7月と変わらず。
所得の内訳は、前月比で以下の通り。
・賃金/所得 0.5%増、前月の0.3%増を上回る(民間が0.5%増、サービス部門が0.6%増加速、財部門(製造業、鉱業、建設)はむしろ0.3%増と前月以下)
・不動産収入 0.3%増、前月の0.2%増から鈍化(農場が10.9%減と2ヵ月連続で減少、非農場は0.6%増と4ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.8%増、前月の0.7%増を含め4ヵ月連続で増加
・資産収入 0.1%減と前月の±0%下回り7ヵ月ぶりに減少(配当が0.1%増と4ヵ月連続で増加、金利収入が0.3%減と2ヵ月連続で減少)
・社会補助 0.3%増、前月の0.2%増を含め増加トレンドを維持
・社会福祉 0.4%増、前月の0.5%増を下回るも増加トレンドを維持(メディケア=高所得者向け医療保険は0.8%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.2%増と増加トレンドを維持、失業保険は1.6%減と3ヵ月ぶりに減少、退役軍人向けは0.6%増と、2ヵ月連続で増加)
個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が70ドル前後で推移するなか、前月比0.1%上昇し市場予想と前月に並んだ。前年比は2.2%上昇し、2012年3月以来の高い伸びを示した前月の2.3%を下回った。コアPCEデフレーターは前月比±0%、7月の0.2%を下回った。前年比は市場予想に並び2.0%上昇、改定値を含め4ヵ月連続でFOMCのインフレ目標値の2%と一致した。
PCEは再びFOMCの目標値に並ぶ。
――個人消費支出が所得を小幅に上回るペースが続くものの、可処分所得に占める家計債務の比率をみると4~6月期は2期連続で100%を割り込み、家計のバランスシートは健全と言えます。
(作成:My Big Apple NY)
可処分所得自体も、約3年ぶりの高い伸び近くを保ち、労働市場も好調そのもの。足元で、家計は米成長の力強い牽引力となる期待が高まります。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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