Wells Fargo Profit Rises, Mortgages Originations Increases.
住宅貸出で最大のウェルズファーゴが14日に発表した7−9月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比3.0%増の57億2900万ドルだった。17期連続で増益を果たす。1株当たり利益は1.02ドルと、アナリスト予想と一致。収入は3.6%増の212億1000万ドルと、市場予想の208億4000万ドルを上回った。
純利益マージンは3.06%となり、4-6月期の3.15%および前年同期の3.39%を下回った。純金利収入は109億4100万ドルと、4−6月期の107億48000万ドルから拡大。非純利益収入は102億7000万ドルと、市場予想の99億4000万ドルおよび前期の102億8000万ドルを上回った。
純金利マージン、低金利を背景に鈍化トレンド継続。
(出所:Wells Fargo)
ローン残高は前年同期比3.7%増の8388億8300万ドルと、市場予想の8376億ドルおよび4−6月期の8289億4200万ドルを超えた。中核ローンも7%増の7757億9100万ドルで、4−6月期の7636億ドルを上回る。企業部門は前期比1.3%増の3950億1800万ドル、消費者部門は同1.8%増の3807億7300万ドルだった。特に貸出基準の甘さが指摘されている自動車部門が前年同期比11%増の552億ドルと、顕著な伸びを示す。
住宅ローン収入(金利を除く)は前年同期比1.2%増の16億ドル。不良債権の減少に伴うモーゲージ・サービス権(住宅ローン債務処理サービス)が縮小したため4−6月期の16億9000万ドルからは減少しつつ、大寒波の打撃を受けた1-3月期の15億1000万ドルを上回っている。住宅ローン組成額は前年同期比40%減の480億ドルながら前期の58%減から下げ幅を縮小しただけでなく、4−6月期の470億ドルを超えた。|
住宅ローン組成額は、このまま改善を継続できるのか。
(出所:Crossroad news)
預金残高平均は前年同期比10%増の1兆1000億ドルとなり、前期比ではほぼ横ばい。中核預金残高平均は前年同期比8%増の1兆ドルと、4−6月期の9917億ドルから増加した。
部門別の利益動向をみると、地銀部門は前年同期比3.9%増の34億7000万ドルで前期の34億3100万ドルも超えた。資産運用・仲介・引退部門は22.2%増の5億5000万ドルと2期連続で20%台を確保、前期の5億4400万ドルからも小幅に増加した。ホールセール銀行部門(大企業・機関投資家・政府向け)は2.7%減の19億2000万ドルと減少基調をたどり、前期の19億5200万ドルも下回った。
経費率は57.7%と、4−6月期の57.9%から低下。引当金は3億6800万ドルと、市場予想の3億2350万ドルおよび4-6月期の2億1700万ドルを上回った。総資産利益率(ROA)は1.4%と、4−6月期の1.47%および前年同期の1.53%からも低下。株主資本収益率(ROE)も13.10%と、4−6月期の13.40%および前年同期の14.07%を下回った。中核的自己資本(コアTier1)比率は11.16%と4−6月期の11.31%を下回りつつ、バーゼル3基準となる7%を上回っている。
ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「第3四半期の結果は、長期的成長のけん引役がファンダメンタルズの力強さにあることを示した」との見解を表明。経済の安定的な改善を見込んだ上で、「当行の業績に楽観的」とした。
——本日、決算を受けてウェルズ・ファーゴは下落。貸出が増加し住宅ローン組成額も改善したとはいえ、純利益マージンの低下が痛手となっています。ちなみに10月10日には、30歳の従業員がスタンプCEO宛てに送信したeメールで1万ドル(108万円)の賃上げを要求していました。20名の他行員にもCCされたメールでのリクエスト、スタンプCEOは飲むのでしょうか。
(カバー写真:Bloomberg)
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