Expect A Big Holiday Sales And Discount This Year.
ハロウィーンが終わり、すでに5thアベニューの旗艦店はクリスマスのイルミネーションを組み立て中。今年もあと3週間半で、ホリデー商戦の火蓋が切って落とされます。
全米平均ガソリン価格が2.993ドルと2010年12月以来の3ドル割れを迎え、小売業者は前のめりで準備にいそしんでいることでしょう。しかも全米小売業協会(NRF)がこんな数字を掲げれば、余計に気合いが入ります。
11月27日のサンクギビング・デー明けに開幕する今年のホリデー商戦、1人当たりの支出額は804.42ドル(9万1300円)と統計開始以来で最高となる見通しなんです。前年の767.27ドル(7万9400円)を4.8%上回る余裕っぷりに、小売業者でなくともホレボレしてしまいます。
1人当たり支出額、2008年から見事なV字回復を経て過去最高を更新へ。
(出所:NRF)
米経済が「ホリデー商戦に影響を及ぼす」との回答も今年は41.4%と、前年から20%近く急低下していました。2009年に質問を開始して以来、最低を更新しています、米10月消費者信頼感指数が示したように、アメリカ人のセンチメントは確かに上向いているんですね。
NRFのマシュー・シェイ最高経営責任者(CEO)兼会長は、資料にて「消費者は愛するパートナーや家族のために財布を開く見通しで、小売業者が楽観的に傾く理由はいくらでもある」と心強いコメントを寄せていました。ただし、アメリカ人はリーマン・ショック後に培った「倹約の精神を忘れていない」とも指摘。店頭比較してギフトを選ぶ傾向にあり、「小売業者は価格と商品双方で品定めされる」とも付け加えておりました。
確かに、財布の紐の堅さを表す証左が3つあります。
1.ギフト選びに向かう先ナンバーワンはディスカウント店
NRFの調査によると、ショッピング先の1位はディスカウント店で61.9%でした。2位は百貨店で59.7%、3位は食料品店・スーパーで51.2%と続きます。一方で服飾・アクセサリー店は36.7%、電気店は30.8%と、ディスカウント店から大いに引き離されていました。
2.オンライン、今年は過去最高
今年のホリデー商戦でネット通販を利用するとの回答は56%と、前年の51.5%を超え2001年の統計開始以来で最高に。オンラインだと商品・価格の比較が簡単ですから、当然の成り行きです。ホリデー商戦のうちオンラインが占める割合は44.4%と、半分近くに及びました。
3.自分へのご褒美、今年は控え目
2013年は、景気改善の証として「自分へのご褒美」を購入するアメリカ人が増えました。別の調査ではホリデー商戦中、自分用のギフトを購入したとの回答者32%と、2011年の12%から急伸していたんです。こうしたトレンドは今年も一段と顕著となっており、NRFによると56.9%が購入予定と回答していました。ただし、平均支出額は126.68ドル(1万3100円)と、前年の134.77ドル(1万3900円)を下回っています。自分より他人を優先する思いやりの心なのか、余裕のなさなのか、どちらでしょうか。
こうしてみると、ディスカウント店や配送大手などのホリデー商戦向け臨時採用計画が前年を大幅に上回ったのも納得。反対に、マイケル・コースの10−12月期業績見通しがアナリスト予想平均に届かなかったように、服飾ブランド大手が慎重なのも頷けます。また自動車ローン支払い期間が過去2番目の長さに達したとの報告が聞かれるなど消費拡大の陰で債務が積み重なりつつあり、今年のホリデー商戦は小売業界で勝ち組と負け組がハッキリ分かれそうな雲行きです。
(カバー写真:NYC Foto)
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