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雨が雪に変わったNY、マーケットも大荒れ

by • December 10, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1592

As Nor’easter Hits NY, Volatility Takes The Market By Storm.

北極気団の影響でしとしと降っていた雨が雪に変わり、ほんのり雪化粧したニューヨーク。

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(出所:My Big Apple NY)

米株相場は、大荒れを迎えました。16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、にわかにボラティリティが急伸。ダウ平均は268ドル安と10月9日以来で最大の下げ幅を示し、S&P500と合わせ11月5日以来の安値で引けています。本日の大幅安の戦犯は、やっぱり原油安です。

・OPECが月報で2015年OPEC産の需要見通しを下方修正
・米週間石油在庫統計で原油が予想外の積み増し
・サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物相が「原油安はマーケットの原理、減産の必要なし」と発言

三重苦に耐えきれず、WTI原油先物は60.94ドル(2.88ドル安、4.5%安)、北海ブレント先物も64.24ドル(2.60ドル安、3.9%安)とそれぞれ約5年ぶりの安値で引け。エネルギー株は軒並み売られダウ平均の構成銘柄であるエクソン・モービルは3.0%安、同じくシェブロンも2.0%安で終了しました。他にハリバートンは3.5%安、ニューフィールド・エクスプロレーションは5.4%安、チェサピーク・エナジーも6.6%安でクローズを迎えております。

その他、本日はこれだけ悪材料が並びました。

1)10−12月期成長率、鈍化の気配が濃厚に
米11月財政収支で防衛支出が41%減と、10月の29%増を完全に相殺。政府支出の寄与低下が見込まれ、バークレイズは米10−12月期GDP予想を2.5%から2.0%へ下方修正した。

2)ECBの追加緩和観測が後退
欧州中央銀行(ECB)は、直ちに新たな追加措置を講じる予定にはない——英フィナンシャル・タイムズ紙が入手した資料を元に、ブログで伝えた。資料によると、17日開催の欧州連合(EU)サミットで経済政策統合を目指す「Four Presidents Report」をめぐる協議を予定せず、年明け2月以降に先送りされるという。ECBが証券市場プログラム(SMP)経由での国債買い入れを開始した2010年5月に、ユーロ圏首脳は4400億ユーロの緊急救済基金、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)設立で合意した経緯があるため。今回のEUサミットで議題に上がらなければ、1月22日のECB理事会でQE開始宣言は非常に困難にとなり、買い入れ決定は少なくとも3月5 日の理事会まで持ち越しか。

3)ギリシャ世論調査
ギリシャのTo Pontiki紙が実施した最新の世論調査では、反緊縮派の最大野党・急進左派連合(SYRIZA)の支持率が31%となり、サマラス首相率いる保守派で財政再 建を進める新民主主義党の25.7%を上回った。来週17日の大統領選を踏まえ、解散総選挙リスクが強まる。

市場のボラティリティ急伸につき、BISがレポートで警告したような展開となりました。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁からQEのクリスマス・プレゼントを受け取れず、イエレンFRB議長率いる米連邦公開市場委員会(FOMC)にサンタ・ラリーのカタリストをせがんでいるようにも見えます。

(カバー写真:AP)

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