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ダウ平均が282ドル高を打ち消し、敗因のひとつに住宅建設大手の見通し

by • January 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3053

Dow Erases A 282-point Gain Amid Falling Commodity Prices And Homebuilder’s Cautious Outlook.

ダウ平均は一時282.37ドル高の17923.91ドルを遂げ年初来リターンをプラスに転換させたものの、呆気なく上げ幅を打ち消しました。一時は約1週間ぶりに17500ドルの節目を抜け、160ドル安をつける乱高下を示しています。止まらない原油安、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れに対するドイツ銀行団体トップの反対表明に加え、こちらの住宅建設大手の決算と見通しが下落への扉を開けてしまいました。

NY正午過ぎから上げ幅を削り、午後2時前からマイナスに反転。
yhindu
(出所:Yahoo! Finance)

KBホームが寄り前に発表した9−11月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比30倍増の8億5280万ドルだった 。 8億2420万ドルに及ぶ繰延税金資産計上で押し上げられている。一時的項目を除く1株当たり利益は27セントと、市場予想の52セントに届かず 。住宅売上高に占める販売・一般管理費の割合が10.5%と前年同期の10.3%から上昇するなか、粗利益率は17.3%と前年同期の17.9%から低下していた。営業利益は37%減の3億ドル。在庫減損を3億4200万ドル計上しており、そのうち2億3200万ドルは非中核事業の資産と土地の売却計画を含む。

売上高は29%増の7億9600万ドルと、市場予想の7億7850万ドルを上回った。受注額は22%増の5億8740万ドル、受注残は14%増の2909軒となる。平均販売価格は17%上昇の35万1500ドルとなり、18期連続で前年比プラスを示した。西海岸が17%押し上げている。引き渡し軒数は9%増の2229軒だった。

2014年通期の利益は、減税効果を背景に前年比で約20倍増の9億1830万ドル。売上高は、14%増の21億ドルだった。引き渡し軒数は1.0%増の7215軒で、販売価格平均は13%上昇の32万8400ドル。住宅建設での営業利益は26%増の1億1600万ドルだった。

2014年度こそ住宅市場の回復に合わせ好調な決算を叩き出したものの、ジェフ・カミンスキ最高財務責任者(CFO)はカンファレンス・コールにて慎重な見解を表明した。9−11月期ですでに低下がみられていた粗利益率に対し「2015年は目標を達成できない」と発言。さらに「2015年は住宅価格の伸びが鈍化する」と警告したため、KBホームの株価は序盤の上昇から一転、18%近くも急落した。

——住宅市場といえば足元の鈍化に反して、2014年の就労者数が好調だったように雇用と所得の増加に支えられ今年も巡航速度で回復する期待値が高かった。ところが米12月雇用統計で時間当たり賃金が2013年7月以来で初めて低下を示し所得動向に不安がよぎらせた上、KBホームの見通しが懸念を煽りダブルパンチとなったかたちです。翌14日のJPモルガン・チェースや米銀のなかでエネルギー関連企業のエクスポージャーが最も高いウェルズ・ファーゴの決算を控え、米株相場は予断を許さない状況が続きます。

(カバー写真:Vegas Market Source)

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