A worker welds a metal furnace in a factory in Gravellona Lomellina

米2月ISM製造業景況指数、米1月建設支出はそろって予想以下

by • March 2, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2031

ISM Manufacturing Index Continues To Slide, Construction Spending Falls.

米2月ISM製造業景況指数は52.9となり、市場予想の53.0に近い結果となった。前月の53.0(53.5から下方修正)には届かず、2014年1月以来の低水準。内訳をみると、新規受注が前月の52.9を下回り52.5と2013年5月以来の水準へ低下した。生産も前月の56.5から、53.7へ鈍化。雇用も前月の54.1から51.4へ減速し、2013年6月以来の水準へ落ち込んでいる。原油安のさなか、仕入れ価格は35.0と、前月と変わらずだった。

BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、今回の結果をにつき「18業種のうち12業種は拡大しており繊維、服飾・革製品、コンピューター・電子機器の3業種しか縮小を示していない」と分析、楽観的に受け止めている。雇用が2013年6月以来の水準へ低下したものの、製造業の雇用減速は織り込み済みで「米2月雇用統計の非農業部門就労者数(NFP)の予想を約25.0万人増」で据え置き、米1月雇用統計・NFPの25.7万人増からの小幅鈍化を見込むにとどめた。ただ、輸出入関連の問題として「(2月20日に収束した)西海岸の港湾労働者ストライキが挙がっている」とも付け加えた。

米2月マークイット製造業PMIは55.1となり、市場予想54.0および速報値の54.3を上回った。1月の53.9からも改善。ISM製造業景況指数と明暗を分けたようにみえ確かに生産と新規受注は上向いたものの、雇用は低下した。在庫の積み上がりも確認しており、全般的に製造業を示唆する内容とは判断しづらい。

米1月建設支出は前月比1.1%減となり、市場予想の0.3%増に反しマイナスとなった。前月の0.8%増(修正値)にも届かず。住宅が0.6%増と2ヵ月連続で増加した一方で、非住宅が1.6%減と前月の0.1%増から反転している。

民間は0.5%減と、6ヵ月ぶりに減少した。住宅が0.6%増と2ヵ月連続で増加したものの、非住宅が1.6%減と足元で初めて減少に転じ民間の伸びを抑えた。公共は2.6%減と、前月の1.7%増から減少に反転。住宅が1.7%減と3ヵ月ぶりに減少に転じたほか、非住宅も2.6%減と前月の1.7%増からマイナスに陥った。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、米1月個人消費・所得の結果と併せ「米1−3月期国内総生産(GDP)は非住宅建設投資の押し下げや消費減速もあって当方の予想2.5%を下回る可能性が強まった」とまとめた。

——米2月ISM製造業景況指数および米1月建設支出の減速は、西海岸の港湾労働者ストライキのほか大寒波と積雪の影響したことでしょう。3月以降、ペントアップ・ディマンドを支えに回復できるかがFedの第1弾利上げをめぐり勝負となります。

(カバー写真:Reuters)

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