Costco Profits Surge On Cheaper Gasoline, Abercrombie And Joy Global Miss The Estimates.
小売関連の決算が、続々と発表されています。本日のコストコは、ガソリン価格の下落を追い風に増益を果たし株価は一時2%も上昇しました。ウォルマートのお株を奪う勢いをみせています。一方で4日に決算を発表した服飾ブランドのアバクロンビー・アンド・フィッチは、ホリデー商戦を挟んだにも関わらず惨敗。ドル高圧力にも屈し、減収・減益の決算を計上しています。見通しが楽観的ではなかったギャップより断然、深刻な業績悪化を示しました。原油をはじめ商品価格の下落にドル高や地政学的リスクと三重苦に喘ぎ、重機メーカーのジョイ・グローバルの決算も不振に終わりました。
▽コストコ
卸売大手が5日に発表した11−1月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比29.2%増の5億9800万ドルだった。税制上の恩恵により、5700万ドル押し上げられたという。希薄後の1株当たり利益は1.35ドルとなり、市場予想の1.18ドルよりを上回った。総売上高は4.4%増の274億5400万ドル。市場予想の276億5000万ドルこそ下回ったものの、会員料金は5.8%増の5億8200万ドルだったほか、ガソリン価格の下落の恩恵から売上高も3.7%増の239億ドルとなっている。既存店売上高は2%増。米国が4%増と寄与しており、海外はドル高の余波から2%減となった。2月既存店売上高は1%増で、米国が2%増、海外は横ばいだった。
▽アバクロンビー・アンド・フィッチ
カジュアル服飾大手が4日に発表した11−1月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比32.9%減の4440万ドルだった。特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は1.15ドルと、市場予想と一致。売上高は14%減の11億2000万ドルと、市場予想の11億7000万ドルを下回った。既存店売上高は10%減となり、ドル高の余波を受け海外部門が17%減と押し下げている。ブランド別では“アバクロンビー・アンド・フィッチ”が9%減だったほか、“アバクロンビー・キッズ”は6%減、“ホリスター”も11%も落ち込んだ。
同社のアーサー・マルティネス会長は、結果を受け「ロゴ入り服飾売上の減少と大きな為替圧力に直面し続けるだろう」と予想した。
店の前に長蛇の列が出来上がっていたのも、今は昔。
(出所:Zona Retiro/Flickr)
▽ジョイ・グローバル
採掘重機メーカーが5日に発表した11−1月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比51.8%減の2億3600万ドルだった。再編費用など特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.25ドルと、市場予想の0.36ドルより弱い。売上高は16%減の7億400万ドルと、市場予想の7億5380万ドルを下回った。新規受注額は19%減の7億ドルで、そのうち機器受注は30%も落ち込んだ。ドル高による為替差損で、受注額は5000万ドル押し下げられたという。
2015年度(2015年10月末終了)の1株当たり利益は2.50—3.0ドルを見込み、従来予想の3.10—3.50ドルから引き下げた。売上高も33億—36億ドルとし、従来予想の36億—38億ドルから下方修正した。テッド・ドハニー最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「商品価格の下落により、顧客のキャッシュフローは減少し設備投資計画は削減され、不透明な環境下でメンテナンスも先送りしている」との見解を示す。 決算に合わせ、節減計画も拡大。従来の2500万ドルから5000万ドルヘ引き上げた。
(カバー写真:AP)
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