Earnings Roundup : VZ, UA, KMB, UTX.
21日に発表された決算発表をおさらいしていきましょう。NY時間の午後1時20分時点でベライゾンとアンダーアーマーは下落しつつ、ドル高の逆風を受けながらキンバリー・クラークとユナイテッド・テクノロジーズは上昇。為替差損の圧力にもめげず見通しも据え置きを示したほか、為替差損を除く売上高が底堅さをみせ、好感されています。
▽ベライゾン
通信最大手が発表した1−3月(第1 四半期)決算では、純利益が前年同期比27.5%減の43億3800万ドルだった。1株当たり利益は1.02ドルと、市場予想の0.95ドルより強い。売上高は3.8%増の319億8400万ドルで、市場予想の323億ドルを下回った。
ワイヤレス部門の収入は前年同期比6.9%増の223億2800万ドル。サービス収入が0.4%減の179億1400万ドルだったものの、機器収入が80.4%増の33億7300万ドルと増加していた。顧客が”ベライゾン・エッジ”を選択し、料金後納システムを採用したため、機器収入が増加している。個人向けの料金後納プラン契約件数は、56.5万件の増加(前年同期比4.8%増)を果たした。スマートフォン全体では、24.7万件増。タブレットは82万件増だった。 3月に上昇すると警告を発した料金後納プランの解約率は1.03%と、前年同期の1.07%から改善した。
インターネット接続での消費者向けサービス収入は、前年同期比4.0%増の40億ドルで、11期連続で 4%以上の伸びを達成した。ファイオスの収入が 10.2%増の33億5200万ドルで、全体の78%を担う。インターネットの加入者数は13.3万件増、ファイオス・ビデオは9万件増だった。なおファイオスは、月額55ドルで利用者がチャンネルを選択できるパッケージ・サービスを発表した。
固定電話部門の収入は、2.0%減の94億6900万ドル。個人が4.0%増の39億9200万ドルとなった一方で、企業や卸売がそれぞれ3.7%減、37.5%減と落ち込んだ。 株価は減収を意識し、一時、0.4%下落した。
▽アンダーアーマー
スポーツ衣料大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比13.4%減の1173万ドルだった。買収に絡む費用負担を背景に、減益を計上している。希薄後の1株当たり利益は0.05ドルとなり、市場予想に並ぶ 。売上高は25.4%増の8億490万ドルで、市場予想の8億500万ドルとほぼ一致した。粗利益率は46.9%で、前年同期と変わらず。服飾と靴類で利益率が上向いたため、ドル高と航空運賃の上昇を抑制した。
売上高の部門別をみると、服飾が20.9%増の5億5550万ドル、靴類が41.1%増の1億6100万ドル、アクセサリーが22.5%増の6520万ドルとなり、軒並み2桁増を達成した。ライセンス収入は、32.2%増の1億6940万ドル 。健康・ワークアウト向けアプリなどデジタル部門を指すコネクティッド・フィットネスは、112.5%増の843万ドルとなる。なおアンダーアーマーは2 月、栄養管理アプリ“マイ・フィットネス・パル” を4億7500万ドルで、 ワークアウト向けアプリ“エンドモンド”を8500万ドルで買収した。
国・地域別では、北米が20.3%増の7億510万ドル。その他海外は74.2%増の9600万ドルとなり、ドル高の逆風を跳ねのけ大幅増を達成している。
2015年は、ドル高の悪影響を指摘しつつコネクティッド・フィットネス部門の買収を受け上方修正。営業利益見通しは、従来の3億9700万〜4億700万ドルから4億〜4億800万ドル(13−15%増)ヘ引き上げた。売上高見通しも従来の37億6000万ドルから37億8000万ドルへ上方修正し前年比の伸びは23%増となる見込みだが、アナリスト予想平均の38億2000万ドルには届かず。 決算は好調だったものの、売上高がアナリスト予想平均に届かず株価は一時5%近くも沈んだ。
マスターズ優勝でスピース選手の貢献が期待されたものの、見通しは予想以下。
(出所:Golf Digest)
▽キンバリー・クラーク
日用品メーカー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比13.0%減の4億6800万ドルだった。ベネズエラ関連のバランスシート調整などを除く調整済み1株当たり利益は1.42ドルとなり、市場予想の1.33ドルより強い。コスト削減を通じ、増益につなげている。売上高は4.1%減の46億9100万ドルで、市場予想の46億1000万ドルを上回った。ドル高による為替差損で9%押し下げられた半面、為替変動などを除く売上高は5%増と好調。特に、エマージング国・開発途上国が11%増と大幅増を記録し売上に寄与した。
売上の部門別では、オムツ関連などを含むパーソナル・ケア部門が3.1%減の23億800万ドルとなり為替差損が響いた。クリネックスを含むティシュー部門も6.8%減の15億7400万ドル、その他2部門もそれぞれ減収を迎えた。
2015年の1株当たり利益は、5.60〜5.80ドルで据え置いた。 見通し据え置きや為替変動を除く売上高を好感し、株価は一時4.5%へ急伸した。
▽ユナイテッド・テクノロジーズ
産業関連の複合企業が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比18.2%増の14億3000万ドルだった。再編費用を除く1株当たり利益は1.51ドルで、市場予想の1.45ドルより強い。費用が1.8%減の126億8800万ドルとなり、コスト削減に努めた様子がうかがえる。売上高は1%減の145億4100万ドルで、市場予想の148億8000万ドルを下回った。ドル高の余波が響き、減収に終わった。
5部門別の売上動向では、エレベーターのオーティスの7.2%減、戦闘機部門のシコルスキーも7.0%減、空調管理部門も微減に。一方で航空機エンジン部門のプラット・アンド・ホイットニーは0.1%増、航空宇宙システム部門も2.8%増となった。
2015年の見通しは1株当たり利益につき6.85〜7.05ドル、売上高は650億〜660億ドル(前年比3〜5%増)で据え置いた。大幅増益に着目したほかドル高局面でも小幅減収にとどまったことを受け、株価は一時0.5%高をみせた。
*タイトルの日付に間違いがありましたので、お詫びして訂正いたします。
(カバー写真:northhillsraleigh/Flickr)
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