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ロシアは利下げしスウェーデンはQE拡大、ブラジルは利上げ

by • April 30, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2470

Russia Cuts Key Rate, Sweden Expands QE, And Brazil Stays On Course.

ロシアが30日、スウェーデンとブラジルは29日に金融政策決定会合を開きました。世界が金融緩和ラッシュに包まれるなかで、ロシアとスウェーデンは緩和策を継続。インフレ高進に苛むブラジルのみ、利上げサイクルを維持しています。

▽ロシア

ロシア中央銀行(CBR)は30日、政策金利である1週間物レポ金利を14%から12.5%へ引き下げた。市場予想の利下げ幅100bpに対し、150bpへ広げている。利下げは年内3回目で、2ヵ月連続。ルーブルが対ドルで最安値をつけた2014年12月から約55%切り返す動きに合わせ、大胆な利下げ策を通じ景気回復を目指す。

CBRは声明文にて、「2016年4月にかけ、需要低下を背景に2016年4月の消費者物価指数は前年比8%、2017年には(目標値の)4%へ回帰する」と予想。足元16.5%のインフレ率は前年同期のルーブル安が主因であり、一時的要因がはく落すればインフレは減速するため「さらなる利下げの用意がある」と結んだ。6月15日の次回会合でも、25bpの追加利下げを行う公算が大きい。

▽スウェーデン

4月29日には、リクスバンクが政策決定会合を開催。政策金利であるレポ金利をマイナス0.25%で据え置きつつ、量的緩和(QE)の規模を3月までの400億クローネから400億〜500億ドル追加すると発表した。

声明文では、必要な場合は一段の利下げを実施する緩和スタンスを表明。一方で、利上げは2016年4−6月期まで実施しない意向を示し、それぞれ前回から据え置いた。明らかな緩和バイアスに傾いており、1)追加利下げ、2)QE規模拡大、3)貸出促進プログラム、4)クローネ売り介入——など、一段の措置を講じる余地を残す。一方、今回初めて住宅ローン金利の変動を除く消費者物価指数(CPIF)が2016年にかけ目標値「2%」に到達する可能性を示した。

経済・金利見通しは、以下の通り。

GDP
2015年 3.2%(前回2.7%)、2016年 3.4%(前回3.3%)、2017年 2.7%(前回2.2%)
CPIF
2015年 1.1%(前回0.9%)、2016年 2.3%(前回2.0%)、2017年 2.2%(前回2.2%)
レポ金利
2015年 マイナス0.2%(前回はマイナス0.1%)、2016年 マイナス0.2%(前回は0%)、2017年 0.3%(前回0.9%)

▽ブラジル

ブラジル中央銀行(BCB)は29日引け後、金融政策委員会(COPOM)を開きCELICレートを50bp引き下げ13.25%に設定した。利上げ幅は市場予想予想通りで、全会一致。5回連続で引き上げた結果、2009年1月以来で最高となる。声明文は「バイアスなし」を貫き、前回を踏襲した。ブラジル・レアル安を背景に4月半ばのインフレ率が前年比で8.22%と約10年ぶり高水準に達するなか、COPOMはインフレ抑制を狙い6月2日の会合でも、少なくとも25bpの利上げに踏み切る公算が大きい。3月に失業率が6.2%と約3年ぶりの水準に悪化するものの、荒療治が迫られる。

(カバー写真:Reuters)

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