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米4月チャレンジャー人員削減予定数、2012年5月以来で最悪

by • May 7, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2493

April Job Cuts Surge To A 3-Year High.

米4月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比52.8%増の6万5182人だった。人員削減予定数としては、2012年5月以来で最悪を記録している。5ヵ月連続で増加した結果、過去6ヵ月間で5回目の増加に。3月の3万6594人からは68.3%増加し、3ヵ月ぶりに増加に転じた。今回も原油安を背景に、人員削減予定数のうちエネルギーが占める割合が最も大きく34%だった。3月の35%、2月の38%、1月の40%からは縮小している。

4大地域別では、全て増加。3月までは2ヵ月連続で1地域のみだった。今回はITの雇用がけん引してきたはずの西部が133.8%増の2万6666人と、最も増加率が大きい。北東部も95.8%増の1万4324人と、3ヵ月ぶりに増加に反転。シェールガス関連を抱える中西部は、17.5%増の1万5779人で2ヵ月連続で増加している。エネルギー産業に依存する南部は4.2%増の4813人で、3ヵ月ぶりに増加した。

月ベースでは、2012年5月以来で最悪。
jobcuts
(出所:Challenger, Gray And Christmas)

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「ここ数ヵ月でシュルンベルジェ、ベーカー・ヒューズ、ハリバートンなど油田サービスは複数回に及ぶ人員削減を発表しており、特にシュルンベルジェは1月の9000人に続き1万1000人と最大だった」と指摘した。石油採掘・掘削関連企業の人員削減が、引き続き全体を押し上げているとの考えを示す。エネルギー関連以外で「年初来で2番目に大きかったセクターはガソリン価格の恩恵を受けるはずの小売」で、「P&Gは業績不振を背景に向こう数年で最大6000人を削減する」と述べた。

消費セクターの低迷については、「グレート・リセッションの後遺症」を指摘。金融危機という深刻な景気後退を経て「支出には非常に慎重」になっているという。また、「多くのアメリカ人にとって未だ仕事探しは困難を極めかつての年収ほど稼いでいない」点も言及した。

1−4月期に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。

1位 エネルギー 2302%増の5万7556人
2位 小売 3.5%増の2万6096人
3位 産業財 146%増の1万7738人
4位 ヘルスケア 30%減の9926人
5位 コンピューター 15%減の9368人

4月人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はエネルギーで1万9745人、2位は消費財で6018人、3位は3月と同じくヘルスケアで4509人だった。

リストラ実施の理由、3月のランキングは以下の通り。3月に2位だった原油安が再編から1位を奪った。閉鎖も前月の3位から2位、需要低下も5位から4位にランクアップしている。

1位 原油安 2万675人 年初来 6万8285人
2位 閉鎖 1万581人 年初来 2万6508人
3位 再編 9208人 年初来 5万3459人
4位 需要低下 9042人 年初来 1万4802人
5位 コスト削減 3404人 年初来 1万2644人

採用予定人数は1万3898人と、前月の6412人から増加した。2014年10月以来の高水準を遂げた2月の1万4574人に次ぐ水準となる。1位はガソリン価格の下落を背景に小売が3440人で、前月の430人を超え2014年12月から2月まで3ヵ月連続での0人から改善を続けた。2位は前月に1位だった自動車で1455人、3位はコンピューターで800人だった。

——以上、人員削減予定件数は5ヵ月連続で増加しつつ伸びはエネルギー関連が主導し縮小しました。米新規失業保険申請件数とは、かい離が一段と広がっています。一方でチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの結果をみると、採用数は加速。米4月ADP全国雇用者数も20万人の大台を割り込むなか、米3月雇用統計はどちらの結果に微笑むのでしょうか。

(カバー写真:My Oil Job)

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