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米3月S&Pケース・シラー住宅価格は加速、FHA住宅価格は鈍化

by • May 26, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1706

S&P/Case-Shiller Home Price Index Rise More Than Expected, FHFA Home Prices Slow.

米3月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比5.0%上昇の175.20となり、市場予想の4.6%を上回った。前月の5.0%と並び、約2年ぶりの水準へ鈍化した2014年11月の4.3%から加速を続けている。2年10ヵ月連続でプラス圏を保った一方、2013年2月以来の10%割れは維持した。季節調整済み・20都市別の前月比は1.0%の上昇と、市場予想の0.9%を上回った。前月の1.2%(0.9%から上方修正)に続き、7ヵ月連続で上昇している。

住宅価格、直近は堅調な伸びをキープ。

sp case shiller
(出所:S&P Dow Indeces)

前年比では、2月に続き20都市すべて上昇。1月の14都市から増加をたどる。トップは2月に2位だったカリフォルニア州サンフランシスコが浮上し、10.3%と2桁を達成。前月の1位から2位へ転落したコロラド州デンバーも10.0%と、大幅上昇を示す。3位は前月と変わらずテキサス州ダラスで、9.3%と続いた。最も伸びが低い都市はワシントンD.C.とオハイオ州クリーブランドが並び、1.0%。ニューヨーク州NYも2.7%と小幅にとどまり、ワースト3位は2月と変わらなかった。

発表元のS&P ダウ・ジョーンズ指数委員会のデビッド・ビルザー委員長は、結果を受け「前年比で35ヵ月連続で上向いており、ミシガン州デトロイトでは45ヵ月連続と最長、最も短いニューヨーク州NY市でも27ヵ月に及ぶ」と振り返った。その上で「長い期間にわたる上昇を踏まえれば、新たな住宅バブルに直面していると考えてもおかしくはない」と指摘。1975年以降、インフレ調整済み住宅価格の前年比は平均1.0%のところ「足元は全米で4.1%に及んでいる」ため、1人当たりの個人所得が3.1%増、賃金が2.2%増である現状を踏まえれば「少なくとも上昇ペースが鈍化してくるだろう」と結んだ。

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米3月住宅価格指数は前月比0.3%の上昇となり、市場予想の0.7%を上回った。前月の0.6%(0.7%から下方修正)に続き上昇トレンドを維持している。前年比では2013年5月につけたピークの8.6%から鈍化トレンドを維持し、5.2%上昇。前月の5.3%(5.4%から下方修正)からも、鈍化した。国勢調査で扱う9大地域別では、7地域が上昇。前月の8地域から減少した。

——S&Pのビルザー委員長が指摘するようにサンプル数が比較的少ないFHFAでは早速、住宅価格の鈍化を確認しています。米4月新築住宅販売件数は3月から改善したとはいえ2008年以来の高水準を達した2月には及ばず。住宅価格を嫌気し需要が後退すれば、適正な水準へ戻してくるかが市場のカギとなりそうです。

(カバー写真:Mclean Mortgage)

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