Durable Goods Orders Unexpectedly Surge, Great Start For Q3 Growth.
米7月耐久財受注は前月比2.0%増となり、市場予想の0.4%減を上回った。前月の4.1%増(3.4%増から上方修正)と合わせ、予想外に2ヵ月連続で増加。過去6ヵ月間で3回目の増加を示す。輸送機器が好調だったほか、防衛財も3ヵ月連続で増加しただけでなく、22.3%増と急増していた。
輸送用機器は4.7%増、前月の10.7%増(修正値)から鈍化も2ヵ月連続で増加した。
・民間航空機 6.0%減、前月の69.7%増から反転
・自動車 4.0%増、前月の0.8%増を含め2ヵ月連続で増加
輸送用機器を除く場合は0.6%増、市場予想の0.4%増を超え前月の1.0%増(0.8%増から下方修正)に続き2ヵ月連続で増加した。
コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、2.2%増だった。前月の1.4%増(修正値)を含め、2ヵ月連続で増加。コンピューター・電子機器や機械、電化製品が支えた。
・コンピューター/電子機器 2.0%増と前月の0.8%増を含め3ヵ月連続で増加
・機械 1.5%増と前月の2.3%増を含め4ヵ月連続で増加
・電気機器 1.3%増と前月の1.2%増を含め2ヵ月連続で増加
・一次金属 1.8%減と前月の2.6%減を含め2ヵ月連続で減少
・組み立て金属 1.3%減と前月の2.2%増を下回り3ヵ月ぶりに減少
耐久財出荷は前月比1.0%増となり、前月の0.9%増(0.3%増から上方修正)を上回り2ヵ月連続で増加した。過去6ヵ月間では、3回目の増加を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.6%増となり、前月の0.4%減(修正値)を上回り3ヵ月ぶりに増加した。
耐久財在庫は±0%と、前月の0.4%増から横ばいに転じた。在庫が伸びなかった半面、出荷が増加したため在庫相当は前月の1.67ヵ月から1.65ヵ月へ短縮した。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「ようやく明るい数字が飛び出しコア資本財は2.2%増と過去4ヵ月平均を上抜けた」と評価した。耐久財出荷が7月に強い伸びを遂げただけでなく、6月分が上方修正された点にも着目。企業の設備投資に支えられ、在庫の下押し盛り込んでも翌27日発表の米4−6月GDP改定値は「3.4%増」を予想した。また米7−9月期GDPも「企業の設備投資は7.0%増が期待でき、GDP自体は2.0%増の道筋をたどる」とまとめた。
——米7月耐久財受注は予想外にポジティブな内容で、マーケットが待ちこがれた設備投資に回復の兆しが現れました。在庫投資が下押したとしても、ここが支えてくれれば影響は小さい。米7−9月期GDPは、巡航速度を維持する可能性が高まります。
アトランタ連銀の米7−9月期GDPは、8月15日時点で1.3%増。米7月耐久財受注後に、上方修正の予感。
(出所:Federal Reserve Bank Of Atalanta)
中国株安や中国の景気減速に伴う人民元切り下げのほか、エマージング国への波及が懸念材料が重なりますが、米経済には時間差で影響が及ぶのか。すでに米8月NY連銀製造業景況指数をはじめ製造業センチメントが急低下しており、安心していられません。
(カバー写真:Rachel Knickmeyer/Flickr)
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