Strategists Eye On These Psychological Levels For Lift-Off.
マーケットが指折り数えて待つ、16−17日開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）。国際通貨基金（IMF）をはじめ、世界銀行は利上げに警鐘を鳴らしてきました。
米株も利上げを警戒し神経質な動きを見せていたものの、リーマン・ショック7周年目の15日に1％を超える大幅反発を達成。特にダウは終値ベースで月初来の高値を更新し、調整入りから脱却したものです。しかもS&P500の10セクタ—別ではドル高で打撃を受けるはずの産業財が1.68％、金利上昇で利ざやが拡大する金融が1.47％とけん引していました。米9月NY連銀製造業景況指数など製造業の指標は芳しくなかったものの、米8月小売売上高が順調で素直に利上げへ向けた態勢を整えてきたのでしょうか？
ヘッジファンド界の巨人、レオン・クーパーマン氏をはじめウォールストリート関係者の一角は利上げ開始でもブル相場の継続を予想していたものです。バロンズ誌のコラム、「ストリートワイズ」もこちらなどでブル派を応援してきました。9月以降は上昇するパターンもあって、米株に強気派が戻って来た可能性を残します。
エコノミストの間では9月FOMCに向け真っ二つに意見が分かれるなか、ストラテジストはここに注目。
バンク・オブ・アメリカのダン・スズキ投資ストラテジストは「VIX指数が20、S&P500が2000pに近づけばFedは利上げを開始する」と予想します。米国のファンダメンタルズが堅調ななか、金融市場のボラティリティを警戒するFedにとって、利上げ前に乗り越えるべき障害はこの2つという判断です。バンク・オブ・アメリカだけでは、ありません。ドイツ銀行のデビッド・ビアンコ米株ストラテジストも、金融市場の動向を見守るFedはS&P500の2000p超えで利上げを見込む1人。金融市場さえ安定すれば、9月利上げの可能性が高いという認識です。
いかに米国のファンダメンタルズに揺るぎない自信を持っているかが、伺えますね。
確かにラリー・サマーズ元米財務長官をはじめ、利上げ見送り派の根拠は「中国発・世界景気の不透明性」、「金融市場で高まる不透明性」です。本当に米株が利上げにウェルカムであれば、16日発表の米8月消費者物価指数が予想踊りあるいは上振れしても吸収してくることでしょう。あるいは、1）経済・金利見通しの下方修正、2）ハト派寄りなイエレンFRB議長による記者会見——の合わせ技を見越した前倒しの買いとも判断できますけどね。
（カバー写真：Scott Beale/Flickr）
Comments
米9月NY連銀製造業景況指数、米8月鉱工業生産で9月利上げ観測後退 Next Post:
米8月CPI、ガソリンと医療費の鈍化で予想以下
about the author: Sawako
