Retail Sales And Business Inventories Put Hopes Of Lift-Off Down.
米9月小売売上高は前月比0.1%増となり、市場予想の0.2%増を下回った。前月の±0%(0.2%増から下方修正)から小幅な改善にとどまる。米9月新車販売台数が2005年7月以来の加速を遂げたものの、自動車を除いた場合は0.3%減と市場予想の0.1%減より弱含みに。前月の0.1%減(0.1%増から下方修正)と合わせ、2カ月連続で減少した。国内総生産(GDP)に反映されるコア小売売上高(自動車、燃料、建築材を除く)は0.1%増。過去2ヵ月分の下方修正(8月:0.5%増→0.2%増、7月:0.6%増→0.5%増)されており、期待外れと言えよう。GDPの7割近くを担う消費は、中国発の世界景気減速や米株安の逆風に直面し鈍化の兆しを示した。
内訳をみると、主要13カテゴリー中5項目増加。前月分の速報値である10項目から減少した。
(プラス項目)
・自動車→1.7%増、前月の0.4%増を含め6ヵ月間で5回目の増加
・服飾→0.9%増、前月の0.2%増と合わせ6ヵ月間で5回目の増加
・スポーツ衣料/書籍→0.9%増、前月の0.8%減を含め6ヵ月間で4回目の増加
・外食→0.7%増、前月の0.3%増と合わせ7ヵ月連続で増加
・家具→0.6%増、前月の0.4%減から反転し6ヵ月間で4回目の増加
・健康→±0%、前月の0.7%増を含む増加基調を3カ月で止める
(マイナス項目)
・ガソリンスタンド→3.2%減、前月の2.0%減と合わせ過去6ヵ月間で4回目の減少
・雑貨類→1.3%減、前月の1.0%増から反転し7ヵ月連続で増加
・建築材→0.3%減、前月の1.3%減に続き減少し6ヵ月間で4回目の減少 増、4ヵ月ぶりに増加)
・食品・飲料→0.3%減、前月の0.4%増から反転し6ヵ月間で2回目の減少
・オンラインを含む非店舗→0.2%減、前月の0.3%減と合わせ6ヵ月間で3回目の減少
・電気製品→0.2%減、前月の0.1%増から反転し6ヵ月間で回目の増加
・一般小売→0.1%減、前月の0.3%増から反転し6ヵ月間で2回目の減少(*百貨店は0.4% 小売売上高、6月の失速を経て順調に回復。
自動車のみ大きく増加し、ヘッドラインを含め他はさっぱり。
(出所:Census Bureau)
モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、コア小売売上高の伸び悩みと過去分の下方修正を受けて「米7-9月期個人消費の予想を3.0%増」とし、従来の3.8%増から引き下げた。これまでの成長けん引役が鈍化するだけに、同GDP見通しも合わせて「従来の1.9%増から1.4%増」へ下方修正した。
▽米8月企業在庫、増加トレンドを5ヵ月で止める
米8月企業在庫は前月比±0%となり、市場予想の0.1%増に届かなかった。前月に続き(0.1%増から下方修正)横ばいにとどまる。7月までは、5ヵ月連続で増加していたが、ドル高や世界景気の減速を背景に製造業が0.3%減と足を引っ張った。小売と卸売は、それぞれ0.3%増と0.1%増だった。
企業売上高は0.6%減となり、6ヵ月ぶりに減少。在庫と同じく製造業が0.7%減と前月の0.2%減より下げ幅を拡大させた。卸売も1.0%減と2ヵ月連続で減少し、小売は0.1%減と小幅ながら減少に反転している。売上の落ち込みが大きく、在庫相当は7月まで5ヵ月連続で1.36ヵ月を経て、1.37ヵ月に延びた。2009年7月以来で最大を示した2月に並ぶ。バークレイズは、米9月小売売上高と米8月企業在庫を受け米7−9月期GDP予想を1.2%」」増で維持した。
——米9月小売売上高は、新車販売台数のみ絶好調だったものの秋の訪れとともに弱含みました。米9月雇用統計で非農業部門就労者数が期待外れに終わっただけでなく、賃上げ圧力を確認していない状況と整合的です。米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値などセンチメントは比較的堅調である一方、世界同時株安や中国発・世界景気減速の懸念は立ち込め財布の紐はきつくなってしまった感が。
人員削減の裾野も原油安に伴うエネルギー産業の域を超え、再編や買収・合併(M&A)を背景に広がりつつある。例えば、ヒューレット・パッカードは分社化に伴い3万人の削減を明らかにしました。成長著しいソーシャルメディア関連も、例外ではありません。簡易メッセージ投稿サイトのツイッターは、全従業員の8%にあたる336人のリストラを発表したばかりです。低金利を背景に資金調達が用意だった赤字の成長企業でも雇用縮小が広がるリスクもあり、ホリデー商戦を前に消費見通しに影が差しつつあるようです。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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