Personal Spending Rise Wasn’t Strong Enough In November.
米11月個人消費支出は前月比0.3%増となり、市場予想と一致した。前月の±0%(0.1%増から下方修正)から改善した。3ヵ月ぶりの高水準に並ぶ。消費の内訳は、以下の通り。
・耐久財 0.724%増、6ヵ月ぶりに減少した前月の0.342%減から反転
・非耐久財 0.540%増、前月の0.094%減から増加に反転
・サービス 0.190%増、前月の0.131%増を含めプラス基調を維持
耐久財は新車販売台数の増加を背景に増加に転じ、耐久財もガソリン価格や暖房需要が低下しながら医薬品に支えられ増加した。サービスは直近で最も小幅な伸びにとどまった前月を超え、増加トレンドを維持している。
個人消費、ガソリン価格の下落に比べると力強さに欠ける。
(出所:My Big Apple NY)
米11月個人所得は前月比0.3%増となり、市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.4%増に届かなかったとはいえ、12ヵ月連続で増加している。可処分所得は0.3%増と、前月の0.4%増を下回った。貯蓄率は所得と支出が並んだため5.5%と、約3年ぶりの水準へ上昇した前月の5.6%から低下した。
所得の内訳は、以下の通り。
・賃金・所得 0.5%増、前月の0.6%増を含め2ヵ月連続で増加(民間が0.5%増と前月の0.7%増と合わせ2ヵ月連続で増加、特にエネルギー関連を含む財生産業が1.1%増と前月の0.7%増から加速。製造業も1.3%増と前月の0.5%増を上回った。サービスは逆に前月の0.7%増から0.4%増へ鈍化)
・不動産収入 0.1%増、前月の0.3%増と合わせ3ヵ月連続で増加(農場が1.3%減と2ヵ月連続で減少、非農場も0.2%増と3ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.8%増、前月の0.8%増に続き21ヵ月連続で増加
・資産収入 0.4%減、4ヵ月ぶりに減少(配当が0.8%減と4ヵ月ぶりに減少、金利収入は0.2%減と2ヵ月連続で減少)
・社会福祉 0.1%増、前月の0.3%増と合わせ2ヵ月連続で増加(メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.4%増と6ヵ月連続で増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.5%増と増加トレンドを維持)
・社会補助 0.3%増、前月の0.3%増を含め上回りつつ少なくとも12ヵ月連続で増加
米11月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比±0%となり、市場予想並びに前月の0.1%に届かず。前年比は9月まで2ヵ月連続で0.2%の上昇を経て、市場予想に並ぶ0.4%へ上昇した。年初来で最高の伸びを遂げている。コアPCEデフレーターは0.1%上昇し、市場予想に並んだ。前月の±0%を上回る。前年比は4ヵ月連続で1.3%の上昇にとどまり、市場予想とも一致。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持し、「2%」割れはそろって2012年5月以来となる。
BNPパリバのポール・モーティマー・リー北米担当主席エコノミストは、結果を受け「個人消費の動向を踏まえると、10-12月期の個人消費は2.1~2.2%増と試算でき、当方の従来予想の2.5%増以下にとどまる」と振り返った。背景として「暖冬」を挙げ、衣類のほか電力消費の落ち込みが主因であるとし「平年並みの気温に戻れば、消費もカムバックするのではないか」と楽観的な見方を寄せる。
——米7-9月期GDP確報値が2.0%増だったため、年初来べースでは2.2%増と12月FOMC時点の予想2.1%増を上回っています。仮に10-12月期GDPが2%割れとなれば、1.9%増で予想値2.1%増に並ぶものの、1.6%増以下であれば2.0%増にとどまる見通し。仮に弱い数字にとどまって12月FOMC予想値に届かない場合、「暖冬」という気象要因で1回置きの利上げを継続するのか、注目されます。
(カバー写真:Lynn Friedman/Flickr)
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