Contraction Is In Sight For Markit Manufacturing PMI.
米2月マークイット製造業PMI速報値は51.0となり、市場予想の前月の52.4以下に終わった。2012年10月以来の水準に並んだ。引き続き、統計が開始した2009年後半からの平均値55.8にも届いていない。内訳をみると、新規受注が51.7と前月の53.6から低下したほか、生産も前月の53.2から51.3と下向いている。雇用も前月の52.8から51.5へ低下し、分岐点割れを意識。新規輸出受注は前月の51.1から49.9と節目を割り込んだ。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「製造業は過去3年間で最低の状況を報告しており、新規受注から生産、雇用、在庫、価格に至るまで全て下振れした」と振り返る。生産と新規受注は2012年後半以来の低水準で、新規受注も世界経済の減速やドル高に合わせて弱含んでおり、「企業は数ヵ月先に雇用や生産を削減せざるを得ない」と予想。調査期間中が悪天候だった影響を指摘する声もあるが、「天候条件がビジネスに影響を与えたとの回答は得られておらず、全般的に貿易と経済の鈍化を挙げていた」と説明した。
マークイットPMI、ISM製造業景況指数に続き分岐点割れが視野。
(出所:Markit)
――予想外に好転した米1月鉱工業生産に反し、マークイット製造業PMIは悪化をたどります。ドル高が緩和したものの、やはり世界経済の減速という重しがに耐えられないのか。米1月新車販売台数が好調だったほか航空、消費財、飲食関連など必ずしも原油安やドル高といった要因が悪材料とも言えず、足元の弱含みがエネルギー産業の影響を過剰に表していないか見極めが必要です。
しかも、以前に指摘させて頂いたように足元の相場の反転の兆しは原油先物と逆行高を遂げたエネルギー株の動向に現れていました。破産申請がまことしやかに囁かれた石油・天然ガス開発大手チェサピーク・エナジーに買収観測が浮上しているのは至極合理的ですらあります。サブプライム住宅とは正反対で、限りある資源という資産がありますから、将来的なリターンを確保できる余地は十分ありますからね、欧州の銀行による資産売却を前に爪を研ぐ米国勢の姿が、シェール業界でも見受けられそうです。
(カバー写真:dinesh.wijekoon/Flickr)
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