Jobless Claims And 4-week Average Post Lowest Since 1973.
米新規失業保険申請件数と米9月輸入物価をおさらいしていきます。
米新規失業保険申請件数は10月8日週に24.6万件と、市場予想の25.3万件を下回った。前週と並び、1973年以来の低水準。労働省はハリケーン”マシュー”がフロリダ州に接近したものの直撃を回避したため、特殊要因を指摘せず。30万件割れは84週連続と1970年以来で最長だという。ただルイジアナ州とバージニア州が推計値だった。4週平均は24万9250件と8週連続で減少し、こちらも1973年の最低を更新した。
10月1日週までの継続受給者数は204.6万人と前週の206.2万人(修正値)を下回り、2000年以来で最低を示す。被保険者に占める失業者の割合は、4週連続で過去最低の1.5%を保った。
米新規失業保険申請件数の4週平均は低下トレンドを維持も、米9月LMCIとは乖離。
10月1日週の州別動向は、以下の通り。
(増加が顕著だった州)
・ミズーリ 1717人増
・ペンシルベニア 1322人増(前週は1224人減)
・オハイオ 526人増(前週は752人減
・イリノイ 492人増
・ネバダ 404人増
(減少が顕著だった州)
・ミシガン 2800人減(前週は2156人増)
・ジョージア 923人減
・テキサス 371人減
・アーカンソー 247人減
・ケンタッキー 194人減(前週は249人増)
――ホリデー商戦の臨時雇用が今年も労働市場を押し上げる期待が膨らむこの頃、アマゾンは12万人の季節労働者を雇用する計画を発表しました。前年比20%もの大幅増となります。中低所得者層向けターゲットが7万人で前年比据え置き、同メイシーズが8.3万人と前年の8.5万人から小幅減である一方で大盤振る舞いです。小売売上高に占めるネット販売のシェアが8.1%に対し、今年のホリデー商戦におけるオンライン売上高は割合は17.8%と予想されるだけに、やはり旗艦店よりeコマースで人材が必要とされているのですね。
ハイチをはじめカリブ海地域で猛威を振るったハリケーン”マシュー”ですが、フロリダ州を襲った時にはハリケーン1まで勢力を弱めていたせいか、難を逃れたもようです。米新規失業保険申請件数は絶好調な数字が続きますが、米9月雇用統計との乖離は明白で、失業保険の受取よりウーバーなど新しい形態で働くことを選ぶ人が増えている可能性を示唆します。
▽米9月輸入物価、石油をはじめ全て弱い
米9月輸入物価指数は前月比0.1%上昇し、市場予想の0.2%に届かなかった。6ヵ月ぶりにマイナスへ落ち込んだ前月の0.2%の低下からは、切り返している。原油先物が40ドル台で安定推移するなか、石油が1.2%上昇(前月は3.0%の低下)し全体を支えた。食品・飲料も0.6%と上昇に反転。しかし燃料と食品を除く輸入物価指数は2ヵ月連続で±0%と、インフレ圧力が芳しくない環境を表す。以下はエネルギーを除く項目別動向。
・食品 0.6%の上昇>前月は0.9%の低下
・自動車 0.2%の上昇>前月は0.1%の低下と2ヵ月連続で低下
・資本財 0.1%の上昇>前月は±0%>
・消費財 ±0%<前月は0.1%の低下と3ヵ月連続でマイナス
・産業財 ±0%>前月は0.7%の低下と2ヵ月連続で低下
輸入物価は前年比で1.1%低下し、市場予想の1.0%を小幅に下回った。前月の2.2%の低下より下げ幅を縮小しつつ、2014年8月に突入した低下トレンドは維持した。
――ドル実効為替レートは9月に102.59と前月の102.21から上昇したものの、1月に記録した2002年10月以来の高水準となる107.97でいったんのピークを迎えています。ドル高圧力が後退で輸入インフレを招くかと思いきや、成長の伸び悩みを反映したのかさっぱりといった感が。9月FOMC議事録で、2019年になっても目標値2%に到達できない見通しが飛び出すはずですね。
(カバー写真:Sarah Hartley/Flickr)
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