ISM Service Index Held Steady In January.
ISM非製造業景況指数、マークイットが発表した1月の景況指数、米12月製造業受注をおさらいしていきます。
米1月ISM非製造業景況指数は56.5となり、市場予想の57.0を下回った。前月の56.6(57.2から下方修正)を小幅に下回りつつ、2015年10月以来の高水準近くを維持。イスラム国家7ヵ国からの入国禁止を含む米大統領令が話題になるものの、米株が最高値を更新するほか米経済指標も底堅さを示すなか、良好な水準を保つ。
内訳をみるとビジネス活動や新規受注が低下し、特に輸出受注は久々に分岐点割れを示した。ただし、雇用が上向き全体を支え米1月雇用統計と整合的だった。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 60.3<前月は60.9と2015年10月以来の高水準、6ヵ月平均は58.6
・新規受注 58.6<前月は60.7、6ヵ月平均は57.7
・雇用 54.7>前月は52.7、6ヵ月平均は53.6
・新規輸出受注 48.0<前月は53.0、6ヵ月平均は52.8
・在庫変化 48.0<前月は52.0、6ヵ月平均は50.5
・仕入れ価格 59.0>前月は56.1、6ヵ月平均は55.3
▽米1月マークイット非製造業PMI確報値、2015年11月以来の高水準
米1月マークイット非製造業PMI確報値は55.6と、速報値の55.1から上方修正された。前月の53.9を超え、2015年11月以来の高水準。内訳では、新規受注が1年半ぶりの水準へ上向いたほか、ビジネス信頼感も2015年5月以来の高さを示した。製造業と合わせた総合指数は55.8と、速報値の55.4を上回り2015年11月以来のレベルに達した。
クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「1~3月期の国内総生産(GDP)が前期比年率2.5%となる見通し」と評価した。雇用も明るい兆候を見せる一方、仕入れ価格が低下したため、米連邦市場公開市場委員会(FOMC)の次回利上げは「6月」」と予想した。
ISM、マークイットそろって2015年終盤以来の高水準。
(作成:My Big Apple NY)
――非製造業景況指数はISMとマークイットでまちまちでしたが、共に雇用は良好で。米1月雇用統計・非農業部門就労者数の好結果と合致しています。新規受注などが低下していますが、分岐点をしっかり上回る水準を維持しているため足元で景況が急低下するリスクは低いでしょう。
▽米12月製造業受注、予想以上の増加し企業の設備投資の回復を確認
米12月製造業受注は前月比1.3%増となり、市場予想の0.5%増を上回った。前月の2.3%減(2.4%減から上方修正)から転じ、過去6ヵ月間で5回目の増加を示す。民間航空機など輸送機器を除く場合は2.1%増と、前月の0.6%増を含め5ヵ月連続で増加し過去5ヵ月間で最大の伸びを達成。コア資本財受注(民間航空機を除く非防衛財)は0.7%増と、速報値の0.9%増から下方修正されつつ3ヵ月連続で増加した。
製造業出荷は2.2%増と、前月の0.3%増を含め5ヵ月連続で増加し最も高い伸びとなった。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷1.0%増と、速報値の0.2%増から大幅に上方修正され2ヵ月連続で強い伸びを遂げている。
製造業在庫は0.1%増と、前月の0.5%増を含め3ヵ月連続で増加した。出荷が在庫の伸びを上回った結果、在庫相当は前月まで3ヵ月連続で1.34ヵ月を経て1.31ヵ月だった。
――1月30日週に発表された一連の米指標を受けて、NY地区連銀は米1~3月期GDP予測値を従来の2.9%増と、従来の2.7%増から引き上げました。アトランタ地区連銀は2月1日時点で3.4%増と2016年7~9月期以来の高成長を予測していましたが、2016年10~12月期GDP速報値については事前に2.9%増を予測し大きく外していたんですよね。今回は名誉挽回となるのか、ひとまず米12月貿易収支を受けた修正に熱い視線が集まります。
(カバー写真:Glenn Harper/Flickr)
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