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11月Fedサーベイ、ウォール街は2018年に3回の利上げを予想

by • November 1, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1801

Wall Street Expect Fed To Raise Rates 3 Times in 2018.

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文がまもなく、公表されます。CNBCが米国市場関係者に調査する恒例のFedサーベイでは、12月12~13日開催のFOMCでの利上げを回答者の98%が織り込む状況。2018年の利上げ回数は、3回が予想されています。ユーロダラー先物市場では年2回となっていますが、エコノミストを含む同調査では9月FOMCの経済・金利見通しと一致する内容でした。注目の調査結果は、以下の通り。前回は9月FOMC直前の調査結果を表します。

1)12月利上げ→96%
2)2018年の利上げ予想平均→3回>前回は2.6回
3)2018年のFF金利見通し平均→2.1%、5月以来の高水準>前回は2.03%

FF金利見通し、2018年は年3回を予想。

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(作成:My Big Apple NY)

4)2017年成長見通し→2.30%>前回は2.21%
5)2018年成長見通し→2.61%、3月以来の高水準>2.60%

fedsurvey-gdp
(作成:My Big Apple NY)

6)12ヵ月先の景気後退確率→16.7%
(リスク要因1位は地政学的リスク、2位は通商政策、3位はFedの金融政策)

7)法人税率 20%への引き下げは適切か
→イエス 58% 20%以上19% 20%以下 12%

8)税制改革は財政中立であるべきか
→イエス 56% ノー 44%

9)Fedは米株高を落ち着かせるために利上げが必要か
→イエス 33% ノー 66% 分からない 5%

10)Fedはバリュエーションを懸念しているか
→非常に懸念 9% 幾分懸念 70% 全く懸念していない 14% 分からない7%

――米株高が続き、ダウとS&P500は10月までで7ヵ月続伸、ナスダックも4ヵ月続伸をたどりますがウォール街では警戒している様子はありません。6月以降、イエレンFRB議長が割高発言を封印し、国際通貨基金(IMF)も明確に懸念を表明せず。直近の株価収益率(PER)が23倍で12ヵ月先予想PERが17.9倍へ低下するならば、市場がそれほど心配していないのも頷けます。

リスク要因として、今回初めてFedの金融政策がトップ3に入った点は注目です。新たなFRB議長就任で市場に波乱が訪れると予想しているのか、金融規制緩和へ傾いた過程でレバレッジ拡大に伴う過去のリスクの焼き直しを想定しているのか、あるいは単純にタカ派寄り政策を警戒しているのか。いずれにしても、イエレン体制の終焉を見込んでいることは明白です。

気になる次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長の予想としては、10月20日発表時点の調査結果としてパウエルFRB理事が44.7%でトップに立ち、次いでテイラー元財務官が23.4%となりました。イエレンFRB議長は12.8%に過ぎません。「誰が就任すべきか」、との質問では順位が入れ替わり、1位がイエレンFRB議長で43.5%、2位がテイラー元財務官で19.6%、3位がパウエルFRB理事で17.4%でした。既にイエレンFRB議長が候補から外れ、ムニューシン財務長官や銀行担当のFRB副議長に就任したクオールズ氏やパウエルFRB理事が最右翼とされていますが、待望の新FRB議長は2日に明らかになります。

(カバー写真:John Fraissinet/Flickr)

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