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米11月個人消費、年末商戦を追い風に堅調も貯蓄率は約5年半ぶり低水準

by • December 25, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2084

Holiday Season Starts With Solid Personal Spending, But Saving Rate Hits 5-Year Low.

米11月個人消費支出は前月比0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回った。約1年ぶりの高水準だった前月の0.8%増(0.6%増から上方修正)に続き、年末商戦の追い風を受けて堅調な推移をキープ。9ヵ月連続で増加している。前年比では4.7%増となり、7ヵ月ぶりの低い伸びにとどまった。インフレを除く実質ベースでの個人消費も市場予想通り0.3%増となり、2ヵ月連続で増加した。前年比では2.8%増と、前月の3.0%増を下回った。

個人消費の内訳は、前月比で以下の通り。米11月新車販売台数が3ヵ月連続で年率1,700万台を超えたほか年末商戦もあって、耐久財が牽引した。ガソリン価格が下落したものの、非耐久財は前月に続き増加。サービスも平年を下回る気温を受け公益が支え、堅調だった。

・モノ 0.4105%増、前月の0.8944%増を下回るも2ヵ月連続で増加
>耐久財 0.9188%増、前月の0.8311%増を下回るも2ヵ月連続で増加
>非耐久財 0.1537%増、前月は0.9374%増を下回るも2ヵ月連続で増加
・サービス 0.3701%増、前月の0.7157%増を下回るも増加基調を維持

個人所得は前月比0.2%増と、市場予想の0.3%増を上回った。9ヵ月ぶりの高水準だった前月の0.5%増に届かなかったものの底堅さを示し、2015年12月末から続く増加トレンドを維持している。前年比では4.2%増と、2017年2月から続く4%乗せを維持。実質ベースでは前月比0.2%増と前月の0.3%増を下回ったものの、7ヵ月連続で増加。前年比は2.33%増と、前月と同じく堅調なペースを保った。

可処分所得は前月比0.2%増となり、8ヵ月ぶりの高水準だった前月の0.5%増を下回ったとはいえ、18ヵ月連続で増加している。前年比は4.7%増と6~7月の5.1%増を下回りつつ、堅調なペースを保つ。実質ベースの可処分所得は前月比0.2%増となり、7ヵ月連続で増加。前年比は10月に続き2.8%増と、2015年11月以来の3%乗せを果たした1月(3.0%増)に近い水準を維持。ただし、貯蓄率は6.0%と前月の6.1%を下回り2013年3月以来で最低を更新した。

個人消費支出の伸びが所得を上回り、貯蓄率は約5年半ぶりの低水準。

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(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.2%増、前月の0.4%増を下回りつつ増加基調を維持(民間が0.2%増、サービス部門が0.2%増、財部門(製造業、鉱業、建設)は0.1%増)
・不動産収入 1.0%増、前月の1.6%増を含め2ヵ月連続で増加(農場が47.3%増と2ヵ月連続で2桁増、非農場は0.1%増と2ヵ月連続で増加)
・家賃収入 0.5%増、前月の0.5%増を含め7ヵ月連続で増加
・資産収入 0%、前月の0.3%増を下回り増加基調にブレーキ(配当が0.4%減と7ヵ月ぶりに減少、金利収入は0.3%増と増加基調を維持)
・社会補助 0.1%増、前月の0.4%増を下回りつつ増加トレンドを維持
・社会福祉 0.4%減、前月の0.9%増を下回り直近で久々に減少に反転(メディケア=高所得者向け医療保険は0.9%増と増加基調を維持、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.1%増と増加基調を維持、失業保険は0.4%減と4ヵ月連続で減少、退役軍人向けは0.5%増と増加に反転、その他亜h0.5%減と7ヵ月連続で減少)

個人消費支出(PCE)デフレーターは原油価格が30%以上も急落する過程で、前月比0.1%上昇し市場予想の横ばいを上回った。前月の0.2%には及ばず。前年比は1.8%上昇し市場予想と一致しつつ10ヵ月ぶりの低い伸びにとどまった。2012年3月以来の高い伸びを示した7月の2.4%から遠のいたままだ。コアPCEデフレーターは10月と変わらず前月比0.1%上昇し、市場予想の0.2%を下回った。コアPCEの前年比は市場予想通り1.9%上昇し、8ヵ月ぶりの低水準だった前月の1.8%を上回ったが、2ヵ月連続でFOMCのインフレ目標値の2%以下となった。

PCEコアは2ヵ月連続でFOMCの目標値以下に。

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(作成:My Big Apple NY)

――11月は雇用統計の平均時給が示す通り所得が増加したお陰で個人消費も絶好調で、年末商戦も花を飾ります。ただし、貯蓄率の低下は懸念材料。米株安を通じたマイナスの資産効果も重なり、1~3月期の消費は減速しかねません。

(カバー写真:Andreas Komodromos/Flickr)

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