New Yorkers Are Helping Each Other. As Well As The Marathon Runners.
ここのところ、ほぼ毎日サンディづくしで失礼いたしております。もう少しだけ、お付き合い下さいませ。
サンディが通過して5日が経過した11月3日、ニューヨーク都市交通局(MTA)から明るいニュースが届いております。サービスを再開させた路線が、拡大しました!引き続き全面復旧にいたっていないながら、34丁目から以南のマンハッタンも4、5、6線のグリーンのラインがロウアーマンハッタンまで届いています。MTAサイトで確認されたい方は、こちらからどうぞ。ページ左下、「Subway Recovery Map」をクリックしてみて下さい。
幸い3日の段階で、マンハッタン内の停電復旧も広がりをみせています。イースト・ビレッジ、チェルシー、マーレイ・ヒルなど39丁目以南に住む友人方が続々とフェイスブックにて電力供給が再開されたとの喜びの声を伝えてきたので、ワタクシ自身ホッとしました~。
アパートの電力、水道が遮断されたロシア系アメリカ人は、アッパーイーストサイドに避難しておりました。彼女も、電力会社コンソリデーティッド・エディソンから通知を受け、自宅へ帰る安堵感を表した一人。喜色満面かと思いきや・・・「But I will miss my Sandy family(サンディでつながった家族と離れるのは寂しいなぁ)」とつぶやいてるではありませんか。
確かに被災者の方々は「サンディ」で不便、苦労を強いられてきました。半面、東日本大震災で日本の被災者の皆さまが秩序正しく列に並んで配給を待ち傷つきながら助け合ったように、ニューヨーカーも互いを支え合ってきたんです。思いやりに溢れた心遣い、真心からのの親切に、寒さでかじかんだ指先も温まったはず。
一軒屋の住人による粋な計らい、フェイスブックで大量にシェアされています。
ニュージャージー州ではガソリン待ちでガス欠に陥った車を皆で押し合う光景も。
ニューヨーカーが「サンディ」被災者に心を寄せる余りに、これには眉をひそめる人が多かった。何かと申しますと、アップルが11月2日に発売開始した「iPad MINI」の行列です。5thアベニューのアップル店に連なる人々、ガソリンをはじめ水、食料、医薬品のために人々が苦労している状況下では全く歓迎されていませんでした。
毎年恒例のNYマラソンに対しても開催には、一部で猛烈な非難が集まりました。道路が遮断されガソリンをはじめ物資輸送が滞るという不安が募っただけでなく、特に問題視されたのが、ホテル。NYマラソン参加者がすでにホテルを押さえ満室状態で、被災者が宿泊できない事態が発生していたんです。
10月31日の段階で、ミッドタウン東側のホテルを探すと空室は1室でしかも1泊1500ドル(11万9300円)!
とはいえNYマラソン・ランナーは、開催前から被災者に手を伸ばしていたんです。参加予定だった同僚いわく、ゼッケンなど必要な荷物を取りに10月31日にジャビッツ・センターへ赴いたところ、交通整理などのボランティアを依頼されたといいます。
NY市が42年の歴史で初めて大会中止を決定した2日には、NYマラソンの参加者が設立したと思われるレース2リカバリーで募金活動が開始。「サンディ」被災者のためにマラソン参加者が滞在するホテルを被災者へ譲り渡すボランティア活動に着手しました。参加予定だった4万7000人のランナー(そのうち1万8000人から2万人が外国人との試算)は参加できなかった無念をかみ締めるよりも、今できることに目を向けて奔走しています。2013年の開催を信じて。
ちなみに、今年のNYマラソンに出場できなかったランナー達は来年の出場権を保持しているんですって。ただしUSAトゥデーによると、参加費用は繰り延べされないという話です。入場料を支払う段階で「払い戻し不可」とありますから、仕方ありませんけど・・キャンセルされた場合は、集まった残りの今年開催分の費用はどうするんでしょうかね。
ニューヨークといえば、90年代初めまでは凶悪犯罪の都市として悪名をとどろかせていました。2012年の今は電力供給が停止した真っ暗闇でも、犯罪件数は急増せずに済んでいます。通り過ぎる車の灯りに頼るしかないパーク・アベニューを歩いたニューヨーク育ちの中国系アメリカ人の男性も、「20年前だったら一人なんて考えられなかったなぁ」なんて振り返ってましたっけ。NYがいかに安全になったかを、物語っています。
グランド・セントラルから徒歩15分の距離ですら一寸先は闇、一人でなんて歩きたくない・・。
確かにブルックリンのドラッグストアで強盗事件が発生したとのニュースは届いています。でも、意外なほど昔に比べ悪いニュースが伝わってこない。ニューヨーカーが目先の欲に走らず、助け合いの心を通わせているといっても過言ではないでしょう。
NY州も支援を広げ、3日の朝にはウェブサイトでガソリンを配給するとの通知を張り出しました。現時点では取り外されていますが、発表を受けてかNBCによるとブルームバーグ市長は「ガソリン供給パニックは2日以内に終了するだろう」と楽観的なコメントを寄せています。
他にNY州は3日、すべてのカウンティに対し米連邦緊急事態管理庁(FEMA)からの救済支援金を支給すると発表。電力、水道、道路をはじめとしたライフライン、公共機関、公園などの復旧工事に割り当てられると説明していました。また「サンディ」で失業した市民向けに、被災地の清掃作業員を募集。給与は救済支援金2779万2296ドル(22億1270万円)から支払われるんですって。FEMAからの基金使用については批判が根強い一方で、必要とする被災者が数多いことも事実です。
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