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ブル相場に気炎を吐く兵たち、年末S&P500予想1715pの声も

by • May 18, 2013 • Latest NewsComments (0)2297

Bull Market Goes On, Can S&P500 Hit 1715p?

米株相場、ブルの吼え声が響き渡る相場展開をまい進中ですね~。CNBCを観ておりましても、アナウンサーが嬉々としてダウ平均の15300ドル超えを報じるように上昇期待の根強さが伺われ、インタビューに登場する市場参加者も「まだまだ割安」との解説が多いんです。上がらにゃソンソン、とばかりの様相です。

調整の可能性を指摘していたアノ人も、ついに2013年末のS&P500の見通しを変更しました。

誰あろう、JPモルガンの共同米株主席ストラテジストを務めるトーマス・リー氏です。

トーマス・リー氏。ブルというよりテディベアっぽい雰囲気です。

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16日付けのレポートで、S&P500の年末予想を従来の1580pから1715pへ大幅に上方修正してきました。17日終値から、約3%の上昇を見込んでます。4月12日付けのレポートで「調整の予想を撤回する」と宣言した後、約1ヵ月後にようやく引き上げたかたちです。

リー氏は一時1400-1450pまでの下落を予想していたんですが、さすがに相場の流れに抗えなかったんでしょう。

レポートでは、

「中国および欧州の経済が向かい風に直面し、商品相場が下落し、かつ失業率が高止まりするなかでは、米経済の加速は見込みづらい・・しかし景気には加速のサインが点灯している。テクノロジー株と通信株の年初来リターンがアウトパフォームしており、10-30年の国債利回りスプレッドも拡大中。これらは歴史的にみて、景気が強まるサインだ」

と説明してます。

また消費者の底力も忘れてはいけません。3月に発表された2012年10-12月期資金循環統計では、資産が前期比1.7%増の79兆5148億ドルでした。住宅価格や株価指数が上昇するなかで資産効果も期待でき、2012年から2013年末には9兆ドルもの大幅増加も見込まれるとか。そのような状況下では、

「足元で耐久財の消費者購買力はGDPの8%に過ぎず、インフレと失業率が2桁だった1982年以来の低水準にとどまっており、明らかに消費者の財布の紐は固い。とはいえマーケットが上昇を続ければ、支出は来年にも増加しさらなる成長改善が見込まれる」

といいます。

ちなみに、JPモルガンの予想は、ウォールストリートで2番目のブルっぷり。トップを走るカナコード・ジェニティのトニー・ドワイヤー氏の予想は、1760pです。

 

個人投資家の伝道師ともいわれるCNBCの看板番組「マッド・マネー」の名物司会者ジム・クレイマーも、強気っぷりに磨きがかかります。

ゴールドマン・サックスの資産運用部門で勤務した経歴をもつ彼、理由として以下の3点を挙げています。

評価が分かれる節もありますが、影響力は絶大。

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1)決算が好調でも利益確定売りが出ない

ラリーが続いていた場合、好決算で利益確定の売りが出やすいものの、今回は雲隠れ。例えば、ホールフーズは決算前に88ドルから92ドルで推移したところ、決算後は100ドル超えを達成した。

2)上方に開けた窓を埋めずにラリー継続
テクニカルをみると、大抵は上方に開けた窓を下落によって埋めてから一段高を達成する場合が多い。しかし今回はほとんどそうした動きを確認せず、上昇を継続。家庭・キッチン用品小売のウィリアム・ソノマがまさに好例といえる。

3)決算が予想以下でも上昇

3Mをみると分かりやすい。決算が予想以下で見通しも暗雲が垂れ込める内容で、発表直後は107ドルから103ドルへ下落した。しかしわずかな好材料を探し当て、今では110ドルに達する。

ごもっともな意見です。マーケットが角を立ててブル相場で押し切ろうとするときに歯向かっても、怪我するだけですね・・。

 

こんな方が朝から、「俺はブルだぁ!」なんて吼えたら、マーケットも振り向かずに入られません。

アパルーサ・マネジメントの創立者兼社長のデビッド・テッパー氏、朝からもの口を開けるごとに鼻やら耳から湯気が出てきそうな勢いでした。この方が設立したアパルーサの運用額は179億ドル(1兆8290億円)ですから、鳥取県のGDPを1000億円下回るくらいですか。もちろん、テッパー氏の資産もハンパありません。なんと2013年3月時点で、70億ドル(7150億円)!!フォーブス誌の長者番付でも堂々166位ですよ。

そんなテッパー氏が、14日にCNBCに出演し「ショート・プレーヤーはシャベルを用意したほうがいいぜ、墓場から脱出するのに必要だろ」とまで、言い放ってたんです。

日本語訳がべらんめえ調なのは、あくまでイメージですので悪しからず。

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テッパー氏が口角泡飛ばす勢いで強気な理由は、3つ。

1)住宅やら自動車やら販売動向が好調で、経済活動は強い

2)財政赤字は増収の恩恵で縮小中、奇しくも米議会予算局は同じ日に2013年会計年度(2012年10月-2013年9月)の財政赤字を2月時点の8450億ドルから6420億ドルへ大幅に下方修正

3)4000億ドル(40兆8000億円)のマネーが退避場所で眠っている(テッパー氏の試算)

ちなみにこの方、2010年9月に登場した際も、ラリーを後押した前例があります。当時も彼、Fedによる量的緩和策(QE)を恩恵にブルだったんですよね。彼の強気の思惑通り、Fedが2010年11月にQE2を発表、あれからダウ平均とS&P500 は今に至るまで約45%もぶっ飛んでいきました。

このまま、米株は上がり続けるのでしょうか・・。テッパー氏は逆説的に「資産買入を縮小しなけりゃ、ハイパー・ラリーに突入するだろう」と予想してましたけど。ここまで右に倣えのブル相場、ベアはもうお手上げ状態。クレーマー氏が「こんな相場30年以上も見たことがない」と語るのも、むべなるかな・・。


JPモルガンは、もちろん危険シナリオも想定してます。Fedが市場の信頼性を失った場合、あるいはインフレの芽吹きをかぎとった場合に、米債利回りが急伸して結果的に米株に打撃を与えるというもの。やっぱりラリーはFedに始まり、Fedに終わるということになりそうです。

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