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バンク・オブ・アメリカ、減収の陰でローン貸出残高が縮小

by • October 15, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2394

Bank Of America’s Revenue Slide, Resulting From Lower Loan Balances.

バンク・オブ・アメリカが15日寄り前に発表した7−9月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比94%減の1億6800万ドルだった。8月に米当局と住宅ローン担保証券(MBS)不正販売をめぐり過去最高となる167億ドルでの和解金支払いに応じたため、大幅減益を記録している。調整済み1株当たり利益は40セントと、市場予想の32セントより強い。収入は、1.5%減の212億2900万ドルだった。

純金利収入は前年同期比0.4%減の104億440万ドルだった。低金利とローン残高の減少で押し下げられている。非金利収入も2%減の109億9000万ドル。金利を除く営業費用は20.4%増の197億4000万ドルとなり、前期の185億4000万ドルも上回った。訴訟費用を除けば、7%減となる。同行はコスト削減に努めており、総従業員数は7%減の22万9538人だった。

純金利マージンは、2.29%。4−6月期の2.22%から上昇したものの、前年同期の2.33%を下回り他米銀と同じく下方圧力を確認している。

トレーディング収入は前年同期比9.2%増の32億7000万ドルとなり、シティグループをはじめとする米銀に続き改善を示した。債券・為替・コモディティで11%増の22億5000万ドル、株式は5.9%増の10億3000万ドルとなる。なお、シティは6.7%増、JPモルガンは2.1%増だった。

グローバル・バンキング部門は、利益が前年同期比24%増の14億1000万ドルだった。収入は2.1%増の40億9300万ドル。投資銀行の手数料も4%増の14億ドルと支えた。

個人・商業銀行部門は、利益が前年同期比3.9%増の18億5600万ドルだった。収入は0.2%減の75億1100万ドルで、平均ローン残高が3.0%減の1608億7900万ドルだったことが響いている。貸出・リース業務も4.6%減の8913億2000万ドルとなった。平均預金残高は4.4%増の5451億1600万ドル。新規クレジットカード発行枚数は15%増の120万枚となり、そのうち64%は既存顧客向けだった。

クレジット・カード、新規顧客の割合は低下傾向。
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(出所:Bank Of America)

住宅ローンを含む個人向け不動産サービス部門は、損益が前年同期比で5倍増の51億8000万ドルの損失となり4−6月期の28億ドルからも拡大した。訴訟費用が下押ししたほか、借換需要の鈍化を反映している。収入は31%減の10億9300万ドル。住宅ローン組成額が48%減の117億ドルとなり、収入の重しとなった。

資産運用部門は、利益が前年同期比12.9%増の8億1300万ドル。収入は6.3%増の46億6600万ドルだった。運用資産額は7.8%増の24億6210万ドルとなる。

引き当て金は前年同期比114.9%増の6億3600万ドルとなり、4−6月期の4億1100万ドルからも増加した。中核的自己資本(コアTier1)比率は9.6%と4−6月期の9.5%を上回ったものの、前年同期の11.08%から低下した。

2009年以来初めて会長職を兼任するブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、決算資料で「個人と法人顧客そろって活動が安定的だったため、あらゆる業務で利益性が改善した」と評価している。

——以上、やっぱりトレーディング部門が改善した程度で、住宅ローン部門での大幅損失に加え商業部門もJPモルガンのように芳しくありません。バンカメの株価はこうした内容を嫌気し、NY時間の午前11時半頃には4%超も下落。特に中小企業の貸出減少は懸念材料で、企業は設備投資や採用増加に意欲的でないことが読み取れます。

(カバー写真:AP)

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