Pending Home Sales Tumble Despite Low Interest Rates.
米12月中古住宅販売成約件数指数は前月比3.7%低下の100.7となり、市場予想の0.6%の上昇に反し落ち込みを示した。前月の0.6%の上昇から再びマイナス圏に沈み、2014年ベースで最大の下げを示現。指数の水準自体は、8ヵ月ぶり低水準となる。
月ベースでの4大地域別では、すべて低下。前月は3地域が上昇していた。今回は北東部が7.5%(4ヵ月ぶりに低下)と最も低下が目立ち、次いで西部が4.6%(前月から反落)、中西部は2.8%(2ヵ月連続で低下)、南部も2.6%(前月から反落)となった。
季節調整済みの前年比では6.1%と4ヵ月連続で上昇し、2013年6月以来の伸びを達成した。
発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果に対し「在庫減少と価格上昇」こそ敗因と指摘。12月には在庫が16ヵ月間で初めて減少したと言及し、在庫環境が変化すれば好転する可能性があるとの考えを示す。金利は2013年初め以来の水準へ低下する上に「雇用も増加し、消費者信頼感も上向き、住宅ローンの保険料も下がり、頭金支払いも引き下げられつつある」ともコメント。新規購入者の需要を喚起すると強調し、前月に続き楽観的な見解を寄せた。
NARは、2014年の中古住宅販売件数を前年比3.1%減の493万件と発表。従来予想の前年比3.0%減の494万件をやや下回った。2015年も従来の530万件から526万件へ下方修正した。
2014年の中古住宅価格につき前年比5.8%上昇の20万8500ドル(約2460万円)と、従来予想の5.6%上昇の20万8000ドルから引き上げた。ただし2013年の11.4%から、大幅な鈍化となる。2015年の中古住宅価格伸び率は2014年12月に続き、4−5%の上昇を予想した。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、保留件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
——以上、中古住宅販売件数の先行指標となる中古住宅販売成約件数指数は弱含みトーンで2014年の幕を閉じました。頼みの綱は、低水準を保つ住宅ローン金利と、住宅ローン申請。全米抵当貸付銀行協会 (MBA)が発表する住宅ローン申請件数指数をみると、年明け1月には急伸を遂げたものの借換が中心で、新規は16日週の時点で失速しています。
おまけに23日週の住宅ローン申請件数指数は前週比3.2%低下し544.2。前週まで3週連続で2桁の急伸を経て、4週ぶりにマイナスへ転じています。借換が5.1%低 下の2605.4となり、4週 ぶりに低下。新規は 0.1%低下し191.6と 2週連続でマイナスに至り、前年比は1.0%とかろうじてプラスを保つ程度です。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.83%と、前週の3.80%を上回ったとはいえ2013年5月以来の低水準近くを維持するにも関わらず、芳しくありません。申請全体に占める割合も借換が71.6%と、2013年5 月以来の高水準となった前週の 73.9%以下とはいえ、依然として高水準。差し押さえなど不良債権物件が減少するなか価格は上昇しつつあり、低金利という恩恵でも買い意欲を刺激できないでいます。米12月中古住宅販売件数も、低金利ながら新規購入者のシェアは低下していましたしね。
(カバー写真:Bunches and Bits/Flickr)
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