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米1月雇用統計の功罪?金利上昇が住宅ローン申請を直撃

by • February 11, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2412

U.S. Mortgage Loan Applications Dip, Higher Rates Chill The Demand.

全米抵当貸付銀行協会 (MBA)の住宅ローン申請指数は2月6日週に前週比9.0%低下し501.8となった。前週の1.3%から低下に転じており、1月16日週まで3週連続で2桁に乗せていた後は失速気味だ。借換も10.3%低下の2395.8となり、前週からマイナスに反転。新規にいたっては6.5%低下し175.1と、4週連続で沈んだ。新規の前年比では1.2%の上昇と、かろうじてプラスを保つ。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)が3.84%と、2013年5月以来の低水準を示した前週の3.79%から上振れし需要を押し下げたとみられる。15年固定金利型(平均)も 3.15%と、 前週の3.14%を小幅に超えた。FHAのローン金利も3.72%となり、前週の3.69%を上回った。

申請全体に占める借換の割合は69.1%と、前週の71.2%を下回った。 2013年5 月以来の高水準となった1月16日週の 73.9%割れを維持。米1月雇用統計後に米金利が上昇するなか、借換を中心に需要が冷え込みつつある。

——1月前半までは、米連邦住宅局(FHA)による保険料の引き下げを背景にMBA住宅ローン申請件数指数は2桁の伸びを謳歌してきました。MBAのマイク・フラタントーニ主席エコノミストは、1月16日週に「FHAの借換申請は前週に57%もの大幅上昇を遂げた」と指摘。1月30日週も、FHAの住宅ローン申請件数指数は前週比 41.8%と前週の8.1%を超え5週続伸したなかで飛躍的な伸びを達成していたものです。特に借換が76.5%と著しく、新規の12.4%を大きく突き放していました。同週にはFHAが占める住宅ローン 申請の割合は、全体の13.1%に上昇。その前にあたる9日週の9.1%も超えたほどです。

好スタートを切ったかにみえた住宅市場、鬼門はやはり金利上昇だったと言えます。米1月雇用統計が目覚ましい数字でも米株が歓喜して大幅高を遂げなかった理由は、ここにあったのかもしれません。悪天候も、仇となっています。マサチューセッツ州ボストンをはじめスーパーボウルの優勝に沸くニューイングランド地方は緊急事態宣言の発動を議論するほどの豪雪に見舞われており、外出するままならない状況ですから。

かき分けた雪を処分する場所もないといいますから、深刻です。
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(出所:Gene J. Puskar/AP、Boston Globe)

住宅市場以外でも、成長率には減速の兆しが現れています。米12月卸売在庫や米12月貿易赤字など一連の経済指標を受け、JPモルガンは米10−12月期国内総生産(GDP)改定値の予想を2.0%増から1.7%増へ引き下げています。速報値から、大きく下方向へかい離する見通しなんですね。バークレイズは、米1−3月期GDP予想を2.3%増から2.0%増へ下方修正しました。こうなると米経済の頼みの綱は、やはり消費。米1月小売売上高は市場予想で0.4%減となっていますが、どんな結果が出てくるでしょうか。

(カバー写真:Bloomberg)

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