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米1月耐久財受注は3ヵ月ぶりに増加、持続できるかが焦点

by • February 26, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2045

Durable Goods Orders Swing Back In January.

米1月耐久財受注は、前月比2.8%増となり市場予想の1.6%増より強い結果となった。前月の3.7%減(3.4%減から修正)を上回り、3ヵ月ぶりに増加に転じている。民間航空機が128.5%増と3ヵ月ぶりに大幅増加し、全体を押し上げた。自動車が2.9%減と4ヵ月ぶりに減少したものの、輸送用機器は9.1%増と3ヵ月ぶりに増加している。輸送用機器を除いた場合は0.3%増と前月の0.9%減(0.8%減から下方修正)を上回り4ヵ月ぶりに増加しつつ、市場予想の0.5%増には届かなかった。防衛財が5.2%減と、3ヵ月連続で減少していた。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.6%増と、市場予想の0.4%増を上回り好転の兆しをみせた。前月の0.7%減(0.6%減から下方修正)から好転しただけでなく、6ヵ月ぶりにプラス圏を回復している。機械が1.9%増、コンピューター・電子機器も1.0%増とそろって5ヵ月ぶりに増加。一方で一次金属は0.3%減と4ヵ月連続で減少したほか、組み立て金属も0.2%の減少に転じた。電気機器も3.4%減と、こちらもマイナスに落ち込んでいる。

耐久財出荷は前月比1.1%減と、前月の1.5%増からマイナスに反転した。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.3%減と、市場予想の0.2%減より下げ幅を拡大。前月の0.3%増(0.2%減から上方修正)から、減少に転じた。耐久財在庫は0.4%増と、前月の0.5%増から小幅鈍化しつつ20ヵ月連続で増加した。在庫が増加し出荷が減少したため、在庫相当は前月の1.66ヵ月から1.68ヵ月へ延びた。少なくとも、8ヵ月ぶりの水準となる。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「コア耐久財受注は数ヵ月以内に生産が小幅ながら回復の兆しをみせており、GDPに反映されるコア耐久財が12月に上方修正されたことから1−3月期にもポジティブ」と説明。米10−12月期GDP改定値の予想は2.0%増で据え置いたものの、米1−3月期GDP見通しは「従来の2.1%増から2.2%増」ヘ引き上げた。

——耐久財受注は寒波もなんのその、民間航空機が支えたほか機械やコンピューター・電子機器が低迷を脱し増加を遂げています。今後も良好な水準を維持するかどうかとなれば、別問題。米2月製造業景況指数は、ニューヨークをはじめ軒並み前月の水準を割り込んでいました。ドル高や原油安の余波もくすぶるほか、西海岸の港湾労働者ストライキが終了したとはいえ自動車を中心としたサプライチェーン障害も懸念材料。企業の設備投資を表す2014年10−12月期の1.9%減から1−3月期に好転するかどうかは、微妙な情勢です。

(カバー写真: Luke Sharrett/Bloomberg)

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