Existing Home Sales Rebound Modestly In February.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米2月中古住宅販売件数は年率488万件となり、市場予想の490万件に届かなかった。9ヵ月ぶりの低水準だった前月の482万件を1.2%上回る。過去6ヵ月間では、4回目の減少を示した。前年比では4.7%増と、5ヵ月連続でプラス圏を維持。前月の3.2%から伸びを加速させたとはいえ、2014年2月は豪雪に見舞われ記録的な低水準を示した経緯がある。
内訳をみると、一戸建てが前月比1.4%増の434万件。前月から増加に反転。複合住宅は横ばいの54万件となり、減少基調を3ヵ月で止めた。
4大地域別では、2地域で増加。前月のゼロから改善した。今回は悪天候の影響が比較的少なかった西部が5.7%増の111万件、南部も1.9%増の211万件とそれぞれ増加に転じた。一方で、中西部は±0%の108万件。今回は悪天候の影響で北東部が6.5%減の58万件と4ヵ月連続で減少した。
在庫件数は、前月比1.6%増の189万件と増加に反転した。前月は、少なくとも2014年12月と合わせ10ヵ月ぶり低水準となる。在庫も販売件数も増加したため、在庫相当は前月と変わらず4.6ヵ月だった。金融危機以降で最も短期化した2014年1月の4.3ヵ月から、遠のいている。中央価格は前年比で7.6%上昇の20.26万ドル。10ヵ月ぶりに20万ドル割れとなった前月から、あらためて大台に乗せた。前月比では2.5%上昇しつつ、前月分の下落を打ち消すことはできず。売り出し平均期間は62日と前月の69日から短縮しつつ、足元最短だった2013年6月の37日を上回る水準を保った。
中古住宅販売件数、2013年半ば以来の水準で頭打ちの様相。
(出所:NAR)
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 8%=前月を含め3ヵ月連続で8%、前年同月は11%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 3%=前月を含め4ヵ月連続で3%、前年同月は5%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 11%=前月は11%、前年同月は15%
・新規購入者 29%>前月は28%、前年同月は28%
・現金での購入者 26%<前月は27%、前年同月は35%
・住居用ではなく投資向け 14%<前月を含め3ヵ月連続で17%、前年同月は21%
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「2月は小幅に改善したものの、足元で住宅市場は低迷しつつある」と指摘。中古住宅の「供給が不十分で価格が上昇しており、金利上昇を控えた駆け込み潜在顧客の需要を抑えている」と説明した。大寒波と積雪の影響については、「北東部と中西部で散見された程度」と一蹴した。
バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、2月に改善したものの小幅にとどまり「1−3月期の住宅投資は落ち込む公算」と指摘。ただ、他の経済指標と合わせ米1−3月期国内総生産(GDP)予想を「1.3%増」で据え置いた。
—−米2月中古住宅販売件数で新規購入者が上昇した点は心強いものの、投資向け購入者、現金での購入者はそろって低下していました。販売件数自体も、過去平均と比較すると見劣りは否めず。中古住宅の在庫不足が全体を押し下げているとすれば、新築住宅販売件数とのかい離が広がるのか、注目されます。中古住宅物件はアンダーウォーターの減少トレンドに歯止めが掛かっているため、在庫ひっ迫はなかなか解消されづらいでしょう。
(カバー写真:Images Money/Flickr)
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