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製造業センチメント、マークイットとリッチモンドでまちまち

by • March 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1613

Markit Flash PMI And Richmond Manufacturing Index Send Mixed Signals In March.

米3月マークイット製造業PMI速報値は55.3となり、市場予想の54.6を上回った。前月の55.1も超え、2014年10月以来の高水準だった。主な項目の内訳は、以下の通り。

出荷 58.2>前月は57.3
新規受注 56.4>前月は55.8
新規輸出向け受注 55.6>前月は51.7
雇用 53.7>52.8
入荷時間 46.4>前月は44.4

仕入れ価格 48.0<前月は49.7
販売価格 49.3<前月は51.7

発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン米主席エコノミストは、結果を踏まえ「年初から一転し、生産から新規受注、雇用にいたるまでモメンタムの加速を映し出した」と分析。国内総生産(GDP)は1−3月期に2014年10−12月期を下回る見通しながら、「夏にかけ成長は回復してくるだろう」と見込む。低インフレ環境が金利上昇を抑制する点を好感しつつ、「ドル高を背景に製造業PMIは2014年時のピークを下回ったまま」とも付け加えた。

製造業PMI、ドル高の影響で回復の足取りは重い。

markit
(出所:Markit)

米3月リッチモンド製造業景況指数はマイナス8と、市場予想の3を下回った。分岐点にあたる前月のゼロを割り込み、1年ぶりの低水準となる。主な項目の内訳は、以下の通り。

新規受注 マイナス13<前月はマイナス2、2ヵ月連続で分岐点割れ
出荷 マイナス13<前月はマイナス1、2ヵ月連続で分岐点割れ
稼働率 マイナス7<前月はマイナス4、2ヵ月連続で分岐点割れ
受注残 マイナス12<前月はマイナス10、5ヵ月連続で分岐点割れ
入荷時間 マイナス9<前月は2、直近初めての分岐点割れ

賃金 8=前月は8
雇用 6>前月は4、3ヵ月ぶり高水準。
平均労働時間 マイナス4>前月はマイナス6、2ヵ月連続で分岐点割れ
仕入れ価格 0.62%>前月は0.32%
販売価格 0.10%>前月は0.09%

ヘッドラインの悪化に反し、6ヵ月先の見通し指数は全体的に改善。新規受注が11ポイント上昇し35だったほか、出荷も前月を7ポイント上回り37だった。雇用も23と、前月の12から急伸。設備投資も32と、前月の低下をほぼ打ち消した。仕入れ価格は1.53%、販売価格も1.09%と、前月から大きく上昇を遂げている。賃金は31と、前月から8ポイントも上昇。主要項目のうち、平均労働時間のみ2ポイント低下の8にとどまった。

——マークイット製造業PMIは上向きを示した半面、リッチモンド連銀製造業景況指数はNY連銀フィラデルフィア連銀と同じく減速し、まちまちなシグナルを送っています。西海岸港湾労働者ストライキの影響が読み取れる入荷時間でも、双方はかい離した結果に。米3月ISM製造業景況指数は、どちらに近い数字となるのでしょうか。

ドル高圧力がくすぶるなかマークイット製造業PMIで新規輸出向け受注が好転したのは、グッド・ニュースでした。リッチモンド連銀製造業景況指数も6ヵ月先見通しが明るい内容で、製造業活動改善への期待を募らせます。

(カバー写真:Bob Jagendorf/Flickr)

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