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GSが年内利上げを予想しない、4つの理由

by • April 4, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3804

Goldman’s Hatzius Expects Fed To Stay On Hold Until 2016.

ゴールドマン・サックス(GS)が、利上げ予想を9月から変更しつつあります。米3月雇用統計の発表以前からハト派寄りへ軸足を移し、利上げを見つめる目はモルガン・スタンレーと同じく2016年初めに向け始めました。

ジャン・ハチウス米主席エコノミストは、4つの理由を挙げていました。

米雇用統計後、CNBCに生出演するパターン多し。
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(出所:CNBC)

1)イエレンFRB議長の「6ヵ月発言」は、エラー
→2014年3月に米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)議長としてのデビューを飾ったイエレン氏は、テーパリング終了後「6ヵ月先」に利上げを行う可能性に言及したものの、新人にありがちなミスを犯したに過ぎない。

2)成長の鈍化
→早期利上げの予想は、3%成長が前提にあると考えられる。しかしながら現状、1−3月期国内総生産(GDP)は1.1%程度となる見通し。大寒波や積雪などの悪天候や在庫投資の縮小など、一時的要因だけで片付けられるか不透明。

3)低インフレ
→原油安、ドル高、賃金の上げ渋りなどインフレ環境は上振れの兆しをみせていない。

4)利上げ開始前に米債利回りが上昇、金融市場を直撃
テーパー・タントラムのように、利上げに着手する前に米債利回りが上昇し金融市場に引き締め効果を与えるリスクあり。資産買い入れ縮小開始の発表を2013年6月、2013年9月から2013年12月へ持ち越したように、Fedが利上げ時期を後ろ倒しするシナリオも想定すべき。

——GSは、米3月雇用統計の以前にあたる米2月耐久財受注の発表当時から「米経済指標の弱含みに沿い、20万人程度の増加幅へ緩んでもおかしくない」と指摘していた点にも注目。3%成長の基本シナリオでも2016年にかけ20万人増で、弱気シナリオでは15万人増にとどまるシナリオを描いていました。GSの予想は、コンセンサスへ変わっていくのか。ひとまず3月17−18日開催のFOMC議事録トーンを見極め、4月29日の米1−3月期GDP速報値を確認し、4月28−29日開催のFOMC声明文を読み解く必要がありそうです。

(出所:FRB/Ustream)

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