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米4月NY連銀製造業景況指数と米2月鉱工業生産、ドル高圧力続く

by • April 15, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1958

Strong Dollar Keeps Pushing Down Manufacturing Data.

米4月NY連銀製造業景況指数はマイナス1.19となり、市場予想の7.0を下回った。前月の6.90にも届かず、2014年12月(マイナス1.23)以来の分岐点割れを示現している。

内訳をみると、新規受注がマイナス6.00と前月のマイナス2.39から下げ幅を拡大。2013年1月以来の落ち込みを示した。雇用も9.57と、2014年5月以来で最高だった前月の18.56から大きく低下。平均労働時間もマイナス4.26と、分岐点割れへ沈んだ。西海岸の港湾労働者ストライキ収束後も入荷時間はマイナス4.26と前月より下げ幅を広げている。受注残もマイナス11.70とマイナス圏を維持した。ただし在庫は2.13と、4ヵ月ぶりに分岐点へ回復。出荷も15.23と前月の7.93から切り返した。仕入れ価格は19.15と前月から約7ポイント上昇した半面、販売価格は前月から約4ポイント低下し4.26だった。

NY連銀製造業景況指数(青線は現況、グレーは見通し)、遂に分岐点割れ。

nyfed
(出所:Federal Reserve Bank Of  New York)

6ヵ月先見通し指数は37.06と、前月の30.72から持ち直した。新規受注、出荷、仕入れ価格、設備投資など主要項目が軒並み上向いた一方で、雇用や平均労働時間は前月から低下。特に平均労働時間は、2014年10月以来の分岐点割れを示した。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業景況指数で換算すると、前月に続き51.7で2014年6月につけた55.4以下を保つ」と分析。西海岸の港湾労働者ストライキや悪天候といった一時的な要因からの回復が力不足としつつ、「見通し指数は上向いた点は評価したい」と付け加えた。

米3月鉱工業生産指数は前月比0.6%低下し、市場予想の0.3%の低下より下げ幅を拡大させた。前月の0.1%の上昇から、再びマイナス圏へ戻している。稼働率は78.4%と、市場予想の78.7%以下に。前月の78.7%(78.9%から下方修正)を下回り、リセッション前の80%回復が一段と遠のいた。

内訳をみると、原油安の余波から鋼業が0.7%低下し前月の1.6%と合わせ3ヵ月連続で低下した。春の到来により暖房需要が低下したため公益は5.9%の低下に。3ヵ月ぶりにマイナスへ転じている。電力が5.3%、天然ガスも9.8%とそれぞれ3ヵ月連続ぶりに低下した。

西海岸の港湾労働者ストライキが収束し貨物処理がようやく進んだとみられ、自動車は3.2%上昇し3ヵ月ぶりに反発。製造業全体では0.1%上昇し小幅に4ヵ月ぶりのプラス圏を示したものの、機械とコンピューター・電子機器は横ばいにとどまった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「製造業関連の指標は全くさえず、過去分すら下方修正されている」と指摘。1−3月期での鉱工業生産も「前期比年率で1.3%低下し、金融危機以来で最悪」とし、米3月小売売上高に続き悪天候と西海岸の港湾労働者ストライキを経た反動の覚束なさに失望を隠さなかった。

——原油安に加えドル高の打撃が製造業を襲い、なかなか回復の兆しがみられません。2015年に業績リセッションへ陥るリスクが一段と高まったと言えそうです。国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が13.5%を占めるほか設備投資の削減という懸念もありドル高は成長の足を引っ張りかねず、米連邦公開市場委員会(FOMC)にとっても頭の痛い結果となったことでしょう。

(カバー写真:Barb Henry/Flickr)

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