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米3月中古住宅販売成約件数指数、住宅ローン借り手が戻り約2年ぶり高水準を維持

by • April 29, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1349

March Pending Home Sales Continue To Rise, As Traditional Buyers Come Back.

米3月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.1%上昇の108.6となり、市場予想の1.0%を上回った。前月の3.6%の上昇(3.7%から下方修正)に届かなかったとはいえ、2ヵ月連続で上昇。2013年6月以来の高水準を維持している。前年比では11.1%上昇し前月の12.5%から鈍化しつつ、7ヵ月連続でプラス。米3月中古住宅販売件数が表すように、春を迎え買い手が住宅市場に戻って来たことを示す。

4大地域別では、3ヵ月連続で2地域で上昇。南部が4.0%と上昇に転じ、西部は1.7と3ヵ月連続でプラスを示した。一方で西部が2.5%の低下に転じたほか、北東部は1.5%と4ヵ月連続で下振れした。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受けて「春の書き入れ時を迎え、買い手が例年より多く詰めかけた」と評価した。その上で「需要は複数の地域で力強さを増し、特に都市部は安定的な雇用と堅調な経済成長を背景に著しい」と説明。買い手としては現金購入者ではなく、住宅ローン借り手のような「従来型が増えていることも心強い」との見方を示した。一方で、「多くの住宅市場で供給を上回る需要を確認した」とも言及。住宅価格の上昇率が「賃金の伸びを4倍も上回る不健全な水準に達する」リスクに懸念をちらつかせた。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、保留件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

全米抵当貸付銀行協会 (MBA)住宅ローン申請件数指数は4月24日週に前週比2.3%低下した。前週分の上昇を打ち消している。新規が横ばいで、前年比は8週連続で上昇をたどりつつ前週の15.6%から鈍化。借換も3.7%低下し、過去4週間で3回目のマイナスに落ち込んでいる。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.85と、 前週の3.83%から上昇。2013年5月以来の低水準を示した1月30日週の 3.79%からは、12週連続で上振れしている。15年固定金利型(平均)も3.14%と、 前週の3.11%を上回った。FHAのローン金利も3.66%となり、前週の3.65%を小幅ながら超えている。

金利が上向くと、素直に需要は低下する状況。

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(出所:Zillow)

申請全体に占める借換の割合は55%と、前週の56.2%から低下。金利上昇を背景に借換が後退したため、2014年9月以来の低水準を示した。2013年5月以来の高水準となった1月16日週の73.9%割れを保つ。

——中古住宅販売成約件数指数をみると、利上げ前の駆け込み需要や価格上昇を背景に買い手が新築住宅から中古住宅へ戻って来た様子がうかがえます。NARのユン主席エコノミストが指摘するように、価格に敏感な動向を示唆していますね。金利のわずかな上昇にも無反応ではなく、住宅ローン申請件数指数は落ち込みました。ただ3月後半から4月にかけ住宅ローン申請件数指数は好調だったため、住宅投資が4−6月期GDPの回復を支える期待が膨らみます。

(カバー写真:Bill Sikes/AP)

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