Tesla Delivers Q2 Sales, Shares Rise.
ガソリン価格の下落という逆境を、この電気自動車(EV)メーカーは颯爽と駆け抜けていきました。
テスラが発表した4−6月期新車販売台数は、前年同期比52%増の1万1507台。同社予想レンジ1万〜1万1000台を見事に超えていきました。EV需要低下に加え、新車販売台数のけん引役であるスポーツ多目的車(SUV)やトラックを販売していないというネガティブ要因にも負けず、快調なペースで走り続けています。ただ、1−3月期からは伸びが鈍化しました。
テスラには、もうひとつ明るいニュースが飛び込んでいます。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、目標株価を従来の65ドルから180ドルへ引き上げました。投資判断が「アンダーパフォーム」とはいえ、現状の株価を77%も下回るほかアナリスト平均の目標株価276.37ドルにも遠く及ばず、さすがに調整してきたのでしょう。短期的には、車体軽量化と燃料効率性を理由に挙げていました。ただし、1)「モデル S」の需要低下、2)7−9月期販売開始予定のSUV「モデル X」の遅延——を理由に投資判断は変更していません。
7−9月期に販売を目指す「モデル X」をめぐっては、羽根のように上方に開くファルコン・ウィングを問題視する声も聞かれます。屋根にスキー、サーフボード、カヤックなどを積載できなくて、SUVとは言えませんから。
見た目はクールでも、機能としては問題?
(出所:Tesla)
また1−3月期決算で明らかになったように設備投資から営業費用、研究・開発費に至るまでコスト拡大が著しい。キャッシュフローへの懸念もくすぶり、大衆車「モデル 3」(3万5000ドル)の生産が2017年からずれ込むリスクすら取り沙汰されつつある。右肩上がりのテスラ株、ブレーキを踏む日は近いのでしょうか。
(カバー写真:teslarati)
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