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23日の決算レビュー:コムキャスト、フリーポート、ダンキン、UA

by • July 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1980

Earnings Roundup : Comcast, Freeport, Dunkin’, Under Armour.

23日寄り前に発表された決算を振り返ります。

▽コムキャスト、映画部門が押し上げも利益は予想以下

メディア・娯楽大手が発表した4-6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比7.3%増の21億3700万ドルだった。早期債務返済など特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.84ドルとなり、市場予想と一致。営業利益は7.9%増の41億500万ドルだった。収入は11.3%増の187億4300万ドルで、市場予想の181億4000万ドルを上回る。営業キャッシュフローは取引コストを除き、8.5%増の58億4800万ドル。フリーキャッシュフローは、30.3%増の15億100万ドルだった。

>ケーブル・コミュニケーションズ(インターネット、電話、ケーブルサービス)
・収入は6.3%増の117億2900万ドル
・顧客数は3.1万人増の2730万人
・高速インターネット利用者数は18.0万人増で前年同期の20.3万人増から縮小、トリプルプレー(ネット、通話、ケーブル)の利用者数は4.2万人増と前年同期の15.2万人増に届かず、同収入は10.0%増の31億100万ドル
・法人向けサービス収入は20.4%増の11億6100万ドル

>NBCユニバーサル(TV、ケーブルTV、映画、テーマパーク)
・収入は20.2%増の72億3000万ドル
・ユニバーサルの収入は92.7%増の22億6600万ドル、メガヒット作「ワイルド・スピード/スカイ・ミッション」や「ジュラシック・ワールド」が寄与
・ケーブルネットワークの収入は1.0%減の24億5000万ドル
・ブロードキャストTVの収入は0.2%減の18億1300万ドル、18〜49歳層で2年連続で1位
・テーマパーク収入は25.7%増の7億7300万ドル、入場者の増加と1人当たりの支出が増加しており「ウィザード・オブ・ハリーポッター」が集客の支えに

同社は7月、月額料金15ドルの動画ストリーミング・サービス「ストリーム」を開始した。同サービスにはコムキャスト傘下のネットワークのほか、HBOを含む。なお、ネットフリックスの月額料金9.99ドル。決算こそ市場予想を上回ったものの映画部門の効果はく落を意識し、株価は一時2.4%下落した。

▽アンダーアーマー、ドル高にめげず利益・売上ともに予想超え

スポーツ衣料大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比16.5%減の1480万ドルだった。買収に絡む費用負担を背景に、2期連続で減益を計上している。希薄後の1株当たり利益は0.07ドルとなり、市場予想の0.05ドルより強い 。売上高は28.5%増の7億8360万ドルで、市場予想の7億6150万ドルを上回った。粗利益率は48.4%となり、前年同期の49.2%から低下。販売・一般管理費が30.9%増の3億4720万ドルとなり、利益率を押し下げた。

売上高の部門別をみると、服飾が22.7%増の5億51530万ドル、靴類が40.2%増の1億5360万ドル、アクセサリーが38.6%増の8300万ドルとなり、軒並み2桁増を達成した。ライセンス収入は、27.6%増の1810万ドル 。健康・ワークアウト向けアプリなどデジタル部門を指すコネクティッド・フィットネスは、147.8%増の1360万ドルとなる。なおアンダーアーマーは2月、栄養管理アプリ“マイ・フィットネス・パル” を4億7500万ドルで、 ワークアウト向けアプリ“エンドモンド”を8500万ドルで買収した。

国・地域別では、北米が22.0%増の6億8080万ドル。その他海外は93.4%増の89200万ドルとなり、1−3月期に続きドル高の逆風を跳ねのけ大幅増を達成している。

2015年は、ドル高の悪影響を指摘しつつコネクティッド・フィットネス部門の買収を受け上方修正。営業利益見通しは、従来の4億〜4億800万ドルのレンジ下限を4億500万ドル(13〜15%増→14〜15%増)ヘ引き上げた。売上高見通しも従来の37億8000万ドルから38億4000万ドル(23%増→25%増)へ上方修正しており、株価は一時9%近くも急伸した。同社は今年マスターズに続き全米オープンで優勝したジョーダン・スピース選手、40年ぶりのチャンピオンへ導いたゴールデンステート・ウォリアーズのスティファン・カリー選手のスポンサーである。

スピース選手のショットよろしく、株価は空高く舞い上がりました。
ua
(出所:Stockcharts)

▽フリーポート・マクモラン、石油・ガス関連資産の評価損で大幅赤字

産金大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純損失が18億5000万ドルとなった。石油・ガス関連試算での評価損を20億ドル計上したため、前年同期の4億8200万ドルの黒字から赤字に転換している。評価損など一時的な項目を除く1株当たり利益は0.14ドルと、市場予想の0.07ドルより強い。売上高は23%減の42億5000万ドルとなり、市場予想の42億8000万ドルを下回った。

売上の内訳は以下の通りで、%表示は前年比を示す。

・金販売量は121%増の35万2000オンス、平均価格は9.4%下落の1174ドル
・銅販売量は0.4%減の9億6400万ポンド、平均価格は14.2%下落の2.71ドル
・エネルギー関連の販売量は18.1%減の1310万石油換算バレル、平均価格は29.2%下落の67.61ドル

2015年の見通しは銅販売量につき42億トン、金販売量で130万オンス、エネルギーで5230万石油換算バレルで維持した。同社は6月、フリーポート・マクモラン・オイル・ガスの新規株式公開(IPO)の申請を行っており、今回の評価損をはじめ原油安が業績に響きつつあるなか分離・独立(スピンオフ)に努めている。決算は市場予想を上回ったものの、株価は大幅赤字を嫌気し一時8.9%下落した。

▽ダンキン・ドーナツ、決算は予想上回るも海外の既存店売上高が軟調

ドーナツチェーン大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比8.4%減の4230万ドルだった。特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は0.50ドルで、市場予想の0.47ドルより強い。売上高は10.7%増の2億1140万ドルとなり、市場予想の2億370万ドルを上回った。特に、米国のダンキン・ドーナツの既存売上高が寄与。作業・準備時間の短縮に務めたほか、健康を重視したメニューを追加し業績改善につなげた。また、キューリグ・グリーンマウンテンとの提携を通じ、キューリグが1杯用のドリンク・カプセル”K-カップ”にダンキンのブランドを加えて販売を開始したことも奏功している。調整済み営業利益率は47.1%と、前年同期の44.0%を大きく上抜けた。

売上の部門別動向は、以下の通り。

>ダンキン・ドーナツ・米国
9.8%増の1億4980万ドル、既存店売上高は2.9%増で前年同期の1.8%増から拡大
>ダンキン・ドーナツ・海外
19.9%増の540万ドル、既存店売上高は0.1%減で前年同期の3.1%減から下げ幅縮小
>バスキン・ロビンス・米国
4.4%増の1350万ドル、既存店売上高は3.4%増で前年同期の4.2%増から鈍化
>バスキン・ロビンス 海外
7.7%増の3620万ドル、既存店売上高は2.5%減で前年同期の1.6%減から悪化

2015年は、売上高につき6〜8%増(8億120万ドル)の予想を据え置いた。調整済み1株当たり利益も1.87〜1.91ドルで維持。既存店売上高も1〜3%増の見通しを保ち、アナリスト予想平均の2.4%増を超えた。中国を含む世界全体での出店数は、引き続き615〜750店を目指す。決算は悪くなかったものの、見通し据え置きや海外の既存店売上高を意識し株価は一時4.5%下落した。

(カバー写真:Scott Beale/Flickr)

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