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23日の決算レビュー:GM、3M、マクドナルド、キャタピラー

by • July 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2213

Earnings Roundup : GM, 3M, McDonalds, Caterpillar.

23日寄り前に発表された主な決算を振り返ります。

▽GM、北米が支え利益・売上高ともに予想を上回る—中国に強気

自動車メーカー最大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比4倍増の11億1700万ドルだった。前年同期は点火スイッチの不具合に関するリコール(無償回収・修理)費用で、大幅に利益が押し下げられていた。ベネズエラ通貨切り下げ、タイで保有する資産の評価損など一時的項目を除く1株当たり利益は1.29ドルと、市場予想の1.08ドルより強い。売上高は3.5%減の382億ドルで、市場予想の400億ドルを下回った。ユーロ安をはじめロシア・ルーブル安、ブラジル・レアル安に圧迫されている。

地域別での利益・税引き前利益(EBIT)は、以下の通り。
>北米 27億8000万ドル、前年同期の13億8500万ドルから拡大
>欧州(ロシア含む) 4500万ドルの赤字、ロシアのオペル部門撤退もあって前年同期の3億500万ドルから縮小
>その他海外(中国、その他アジア、中東、アフリカ) 3億4900万ドル、前年同期は3億1500万ドルから拡大
>南米 2億2500万ドル、前年同期の2億5800万ドルから縮小

世界販売台数は、前年同期比1.8%減の246.2万台だった。内訳をみると、米国が3.8%増とけん引した程度で他は軒並み減少している。アジア太平洋は0.4%減の102.2万台と、1−3月期から減少に反転。中国が上半期こそ4.4%増の172万台と過去最高を記録しつつ、6月新車販売台数は3%減と弱含みのサインを点灯させていた。中国は1−3月期の9.4%増から、1.4%減へ転じている。欧州と南米も減少。世界におけるGMのシェアは11.1%と、前年同期の11.3%から低下した。

チャック・スティーブンス最高財務責任者(CFO)は、営業利益をめぐり「93億ドルを上回る」との予想を貫いた。また、中国への強気姿勢も変えず。新車販売台数が鈍化し競争が激化するものの利益性の拡大を見込む。中国株安を背景に見通し引き下げリスクを意識していた投資家に安心感を誘った。決算内容と中国への強気姿勢を背景に、株価は一時4.3%上昇した。

▽3M、為替差損に泣き収入が予想以下—見通しも引き下げ

複合大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比2.6%増の13億ドルだった。株主帰属の1株当たり利益は2.02ドルで、市場予想の2.0ドルより強い。売上高は5.5%減の76億8600万ドルとなり、市場予想の78億ドルを下回った。為替変動を除くと1.8%増に転じる。

売上高の部門別動向は以下の通りで%は前年比、()内は為替変動を除くベース。

>産業財 6.4%減(1.4%増)の26億3400万ドル
>安全・管理 4.1%減(4.9%増)の14万3200万億ドル
>電気・エネルギー 7.9%減(3.0%減)の13億1000万ドル
>ヘルスケア 3.7%減(3.4%増)の13億6400万ドル
>消費者 2.5%減(3.4%増)の11億1100万ドル

2015年の1株当たり利益を7.80〜8.0ドルとし、従来の7.80〜8.10ドルからレンジ上限を引き下げた。売上高は6〜7%増で維持。業績内容と見通しを受け、株価は一時3.7%落ち込んだ。

▽マクドナルド、米国が軟調も利益・売上とも予想上回る

ファーストフードチェーン最大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比13.4%減の12億240万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は10.0%減の1.26ドルとなり、市場予想の1.23ドルより強い。為替差損を除く場合は、1%減へ縮小する。売上高は9.5%減の64億9770万ドルで、市場予想の64億5000万ドルを上回った。為替変動を除いた場合は1%増に転じる。世界の既存店売上高は0.7%減となり、1−3月に続き全般的な客足鈍化が響いた。市場予想の0.4%減よりも弱い。

株価はレンジ内をキープ。
mcd
(出所:Stockcharts)

地域別の既存店売上動向は、前年同期比ベースで以下の通り。

>北米 1.7%減(市場予想は1.5%減)、前年同期の3.5%減から下げ幅を縮小、客足鈍化で売上減少
>欧州 0.2%増、前年同期の3.4%減から改善、英独が好調で仏、ロシアが押し下げを打ち消し
>アジア太平洋・中東・アフリカ 6.3%減、前年同期の2.0%減から下げ幅を拡大、特に日本で期限切れ肉問題の影響が根強く残り全体を押し下げつつ中国も弱い。

なお、マクドナルドはスティーブ・イースターブルック新最高経営責任者(CEO)の体制下、5月に再編計画を発表している。決算でひとまず株価は一時0.4%上昇した。

▽キャタピラー、原油安が響き売上が予想以下

工業機械メーカー大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比29.0%減の7億1000万ドルだった。再編費用を除く1株当たり利益は1.27ドルで、市場予想と一致。売上高は12.9%減の123億2000万ドルながら、市場予想126億2000万ドルを下回った。原油安が引き続き業績を圧迫したほか、中国やブラジルの景気減速に加えギリシャ債務危機が吹き荒れたため、信頼感を損ねたと説明している。

主力の機械・エネルギー・輸送の売上高は14%減の115億8300万ドルだった。部門別詳細は、以下の通り。

>エネルギー・輸送 12%減の45億4400万ドル
>建設 18%減の44億4100万ドル
>資源 11%減の19億9100万ドル
>その他 9%増の6億3700万ドル

2015年については、再編費用を除く1株当たり利益は4.70〜5.00ドルで維持した。もっとも、売上高は490億ドルとし、従来の500億ドルから下方修正。市場予想の495億4000万ドル以上の水準を保つ。

キャタピラーのダグラス・オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は、決算発表の資料にて商品先物の下落を受け鋼業部門が「深刻な落ち込みを示す」との見解を寄せた。決算発表後に出演した経済金融局CNBCでは「世界景気が鈍化するなかで原油価格が前年比で半減し、商品先物も数年ぶりの安値を迎えている」と嘆息を漏らす。中国をめぐっては「恐らく、底打ちに近づいている」と言及するにとどめた。売上高が予想以下で売上見通しの下方修正もあり、株価は一時3.7下落した。

(カバー写真:GM

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