June Factory Orders Implies Q2 GDP Will Be Revised Up.
米6月製造業受注は前月比1.8%増となり、市場予想の1.7%増を上回った。前月の1.1%減(1.0%減から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりにプラスヘ切り返している。過去6ヵ月間で2回目の増加を示す。耐久財は速報値と変わらず3.4%増と、こちらも3ヵ月ぶりに増加へ転じ全体に寄与。特に輸送機器が9.3%増となり、速報値の8.9%増から上方修正されていた。民間航空機が66.1%増とけん引している。
コア資本財(民間航空機を除く非防衛財)は0.7%増と、速報値の0.9%増から下方修正された。ただし前月の0.8%減(0.4%減から下方修正)を上回り、3ヵ月ぶりに増加している。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷も0.3%増と速報値の0.1%減から上方修正。前月の0.4%減(0.3%減から下方修正)を超え、増加に反転した。
出荷は0.5%増となり、前月の0.2%減を完全に打ち消した。在庫は0.6%増となり、前月の0.1%増より強く3ヵ月連続で増加した。在庫相当は出荷と在庫の伸びがほぼ変わらなかったため、3ヵ月連続で1.35ヵ月だった。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を踏まえ「在庫が修正分を含め予想より強かったため、在庫投資は米4−6月期GDP速報値での1110億ドル増から1190億ドル増への拡大が見込まれる」と試算した。その上で「米4−6月期GDP改定値の予想を従来の2.7%増から3.0%増」ヘ上方修正。ただし、7−9月期に在庫投資が反動で縮小する可能性が潜むため「米7−9月期GDP予想の2.5%増に、下方リスクが出て来た」と指摘した。企業の設備投資に対しては「2014年後半から2015年1−3月期と比べ落ち着きがみられ、低迷期を脱した可能性がある」と前向きな見方を示した。
——米6月製造業受注は米4−6月期GDPにはグッドニュース、米7−9月期GDPにはバッドニュースを運んできました。何より問題は、企業の設備投資を表す機器投資。6月は四半期で最終の月にあたるため増加傾向が強く、ドル高再燃の兆しが高まるなか7月もこの流れを維持できるか試練は続きます。
(カバー写真:Bob Jagendorf/Flickr)
Comments
4日の決算レビュー:コーチ、スプリント、BMW Next Post:
アトランタ連銀総裁、9月利上げに肯定的