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アリババ、中国の消費減速を理由に見通し下方修正

by • September 9, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2041

Alibaba Cut Its Sales Estimates, Another Indication Of China’s Slowdown.

内国歳入庁(IRS)がヤフーに対し無税でアリババをスピンオフ(分離・独立)する計画にまったを掛けただけでなく、アリババに悪材料が飛び出しています。

シティグループが8日に開催したグローバル・テック・カンファレンスで、IRヘッドのジェーン・ペナー氏は「支出削減の悪影響が及んでいる」と指摘。ネット総取引額を「当初予想から5%引き下げる」方針を明らかにしました。同社予想の詳細は、開示していません。ただ賃金をはじめとした指標を元に実際に同国の景気動向が悪化したとは判断せず、支出鈍化の理由として「心理的な影響」を挙げています。

アリババの強気ぶりに反し、4−6月(第1四半期)決算では6月半ばに中国株安が唸りを上げたにも関わらずネット総取引額が約3年ぶりの低水準でした。当時はオンライン宝くじの影響を挙げていたものの、景気動向を反映したに違いありません。ネット総取引額だけでなく、創業以来初めてパソコンに取って代わった携帯端末での売上高をはじめ全体的に1−3月期から減速が目立っていました。

景気減速懸念に拍車をかけるように、中国8月貿易統計では輸出がドル建てて5.5%減と7月の8.3%減に続き2ヵ月連続で減少。輸入にいたっては13.8%減と7月の8.1%減を大きく上回り、内需の腰折れ感を目立たせる結果となっています。輸入の減速は、中国8月財新製造業PMI確報値が47.3と6年5ヵ月ぶり落ち込みだったことと整合的です。

中国の4−6月期国内総生産(GDP)は前年同期比7.0%増と、1−3月期に並びました。政府の通年目標に沿う数字を維持した格好です。空売り王として知られるキニコス・アソシエーツのジム・チェイノス氏をして「中国のGDPは政治的なもの」と言わしめるように、GDPでは同国の経済実態が白日の下にさらされるかは不透明。アリババのこうした数字こそ米国に上場する都合上、決算報告の義務を負うだけに少なくとも消費活動の一端が垣間みれるというものです。そういえば中国の人民元切り下げを経て、アリババはジャック・マー会長とジョセフ・ツァイ共同創業者が自社株を通じ20億ドル相当の資金調達を行うと報じられていましたが、詳細は現時点で不明なままです。

(カバー写真:Raine/Flickr)

 

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