U.S. Overall Debt Accelerates In Second Quarter.
米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、4−6月期家計資産報告(旧・資金循環報告)を発表した。資料によると、家計・非営利団体の純資産は、85兆7120億ドル。1−3月期の85兆170億ドル(修正値)を0.8%上回り、3期連続で過去最高を更新した。
家計資産のうち、特に金融資産(貯蓄、株式、投資信託、債券、年金などを含む)が前期比2560億ドル増となった。そのうち株式・投資信託は610億ドルの21兆7586億ドル。株式は12億ドル減の13兆5296億ドルで、投資信託が1391億ドル増の8兆2290億ドルと支えた。S&P500は4−6月期に5月20日に最高値を更新したものの、6月以降の中国株安に反応しレンジ相場の下限に鞘寄せしたため、1−3月期から大幅に増加幅を縮小している。
S&P500、4−6月期(オレンジ枠)はともかく夏に大荒れ。
不動産は住宅価格の需要および値上がりを背景に4990億ドル増の24兆6180億ドルとなり、全体を支えた。結果、ホーム・エクィティ(住宅の評価額から住宅ローンの残債を差し引いた価値)は不動産価値の56.3%を占め、1−3月期の55.6%、2014年10−12月期の54.5%、7−9月期の53.9%を上回った。リセッションを脱してから、最高を更新し続けている。
国内債務は、前期比年率4.4%増の43兆9790億ドルだった。過去4年間で最小にとどまった1−3月期から、再び加速している。家計債務は3.9%増の14兆457億ドルと、増加トレンドを維持。そのうち、消費者信用は前期比年率で8.1%増の3兆4232億ドルと2010年7−9月期以来、19期連続で増加した。新車販売台数が5月に急発進したように自動車ローンのほか、学生ローンが寄与している。住宅ローンは2.2%増の9兆4272億ドルと、前期の横ばいから増加に反転。非金融セクターの企業は2011年1−3月期以来、18期連続で増加し8.3%増の12兆4774億ドルとなる。連邦政府は2.4%増の14兆4895億ドルと、2003年以来初めて減少に転じた前期から増加トレンドを回復した。州・地方政府は1.0%増と3期連続で増加し、2兆9665億ドルだった。
家計債務は可処分所得に対し、107.0%。1−3月期の106.5%から上昇した。2007年にピーク時は、135%を記録していた。
——米4−6月期国内総生産(GDP)は改定値で確認できた通り消費をはじめ企業など、民間部門での支出がけん引していました。家計資産報告のうち債務動向をみると消費者、住宅、非金融セクターの部門でそれぞれ伸びを確認しており、整合的です。一方で支出の要となる資産動向は、夏に直撃した株価急落に足を引っ張られ株式資産の目減りは必至。S&P500は5月の最高値から7%以上も下落しており、家計資産報告で変化が現れることでしょう。
(出所:hb9252/Flickr)
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