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2016年10~12月期、債務は可処分所得に対し改善続くも・・

by • March 14, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off363

Household Net Worth Hits Record Buoyed By Stock Wealth.

米連邦準備制度理事会(FRB)が9日に公表した、2016年の10~12月期家計資産報告(旧・資金循環報告)によると、家計・非営利団体の純資産は前期比2.3%増の92兆8,054億ドルとなり6期連続で統計開始以来で最大を記録している。

家計・非営利機関の資産のうち、特に金融資産(貯蓄、株式、投資信託、債券、年金、保険などを含む)は前期比2.2%増の75兆4,781億ドル、5期連続で増加するともに過去最高を更新している。株式は市場価値ベースで2.9%増の25兆7,064億ドル(直接、間接保有含む)となっている。金融資産における株式の割合は34.18%と、直近で最大を示す。投資信託も1.7%増の4兆6,234億ドルと、株式と合わせ増加した。S&P500は期間中、米大統領選後のトランプ・ラリーを背景に上昇、米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月利上げに踏み切ったものの、ダウなど過去最高値を更新した。

家計・非営利機関の預金残高は前期比2.5%増の11兆3,919億ドルと、過去最高を塗り替えた。民間での年金資産は1.0%増の3兆4,947億ドルと、5期連続で増加。2015年7~9月期に減少してから順調に増加し、最高を更新している。

家計部門の不動産資産は、住宅の値上がりや需要拡大を背景に前期比2.2%増の26兆5,284億ドルとなり全体を支えた。住宅ローンは9兆7,537億ドルで、ホーム・エクイティ(住宅の評価額から住宅ローンの残債を差し引いた価値)は少なくとも17兆ドル付近と弾き出せる。住宅価格の値上がりを支えに不動産価値の63.4%を占め、前期を超え景気回復サイクルで最高を更新した。

国内債務は、前期比年率2.9%増の47兆3,073億ドルだった。伸び率は2015年7~9月期以来の低い伸びを示し、少なくとも2010年以来で最大を記録した2015年10~12月期の7.7%増でピークアウトを確認している。詳細は、以下の通りで伸びは全て前期比年率。

>家計の債務は3.8%増の14兆7,561億ドルとなり、増加トレンドを維持
>消費者信用は6.2%増の3兆7,647億ドルと2010年10~12月期以来、25期連続で増加。2016年10~12月期家計債務で明らかになった通り、自動車ローンや学生ローンを中心に債務は増加中だ。
>住宅ローンは3.1%増の9兆7,537億ドルと、堅調な住宅指標が示すように2014年4~6月期以来11期連続で増加した。
>非金融セクターの企業は2011年1~3月期以来、24期連続で増加し2.6%増の13兆4,708億ドルとなる。
>連邦政府は2.9%増の16兆83億ドルと7期連続で増加も、2015年7~9月期以来の低水準だった。
>州・地方政府は4期連続で増加し、0.2%増の3兆721億ドルだった。

家計・非営利団体の債務は可処分所得に対し105.9%と、前期と変わらなかった。家計の信用残高でみた場合は103.6%で、2002年4~6月期以来で最低を更新。2007年のピーク時にあたる135%から大幅に低下した水準を保つ。

足元のGDPは個人消費が伸びを牽引、債務の水準が。

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(作成:My Big Apple NY)

――家計の信用残高でみた可処分所得に占める債務の割合は低水準にあり、個人消費の余地が大きい可能性を示唆します。米株高で資産効果が期待でき、個人消費は一見したところ勢いを維持しそうですが、ここにきて物価と金利がダブルで上昇してきました。特に米1月個人消費の前月比が実質でマイナスに転じたように、物価上昇の影響に注意。所得の伸びが問題で、米2月雇用統計では平均時給が前年比2.8%の上昇を示し好感されたものの生産者・非管理職になると2.5%へ伸びを縮小していました。また企業の融資姿勢にも厳格化の兆しが見え、好調を維持できるかは疑問が残ります。

可処分所得に占める債務が低水準にあるからといって、安心してもいられません。90日以上の延滞率をみると学生ローンは1年ぶり、自動車ローンに至っては2013年1~3月期以来の水準まで上昇しました。米10年債利回りが2%割れの低下トレンドから一転、2.5%を目指す段階で延滞率に上向きがみられています。

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(作成:My Big Apple NY)

学生ローンや自動車ローンの担い手と言えば、ミレニアル層と言えるでしょう。2015年にミレニアル層はベビーブーマー世代を抜き、全米の人口の約23.6%を占め堂々1位。こうしたミレニアル層の消費が弱まれば、成長にも悪影響をきたしかねません。

(カバー写真:Web Summit/Flickr)

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