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米9月S&P/ケースシラー住宅価格指数、利上げ見送り後に加速

by • November 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1513

House Price Growth Accelerates In September.

米9月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整済み、20都市別)は前年同月比5.45%上昇の179.77となり、市場予想の5.15%より強い結果となった。2年4ヵ月連続でプラス圏を保ち、伸び率は前月の5.13%を超え足元で最高に。季節調整済みの前月比は0.61%上昇し、市場予想の0.30%を上回った。8月の0.11%に続き、プラスをたどる。

S&Pケースシラー住宅価格指数、伸び悩みを経て伸び率拡大。
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(出所:S&P Indices)

季節調整済みでは、前月比で全ての都市で上昇。8月の13都市から増加した。上昇率トップはカリフォルニア州サンフランシスコで1.24%、2位はフロリダ州マイアミで1.16%、3位はオレゴン州ポートランドで1.05%だった。一方で、ワースト1位はミシガン州デトロイトで0.05%の上昇となり、次いでミネソタ州ミネアポリスの0.09%、ネバダ州ラスベガスが0.17%と続いた。

発表元のS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ビルザー会長は結果に対し「住宅価格はインフレ率の2倍のペースで上昇を続け、力強さを示す」と判断した。米経済は秋口に鈍化の兆しをみせたものの「失業率が5.0%で、消費者物価指数に上向きの兆しが現れた」と指摘。Fedの利上げも「25〜50bpにとどめるのであれば、住宅ローン金利は30年物で4%という足元の水準を押し上げる可能性は低い」と予想した。

▽米9月住宅価格指数、利上げ先送り後に上振れ

米住宅金融公社(FHFA)が発表した米9月住宅価格指数は前月比0.8%上昇の226.5となり、市場予想の0.4%より強い結果となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを見送るなか、前月の0.3%を上回り9ヵ月連続でプラスを示す。前年比では6.1%上昇し、前月の5.5%から加速した。国勢調査ベースの9地域別では全て上昇し、前月の6地域から増加した。

7−9月期は前期比1.27%上昇し、1年ぶりに低い伸びにとどまった。逆に前年比では5.70%と、2014年1−3月期以来で最高を遂げている。

なおこの住宅価格指数は、米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従ってS&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なり、数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。

——世界同時株安や中国発の世界景気減速への懸念もなんのその、FOMCが利上げ見送りを決断し住宅市場の拡大維持が見込まれたのか価格上昇のペースは加速しました。仮にFedが利上げに踏み切ったとして、2016年内は3回程度の引き上げとの予想に傾き、急激な利上げで住宅ローン金利を上振れさせる不安は小さくなりつつあります。

(カバー写真:fr0ggy33/Flickr)

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