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米新規失業保険申請件数、雇用統計サンプル週に4週平均が減少

by • March 18, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1828

Jobless Claims 4-Week Average Fall In Survey Week.

米新規失業保険申請件数、米2月景気先行指数、米10-12月期経常収支をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は3月12日週に26.5万件と、市場予想の27.5万件を下回った。前週の25.8万件(25.9万件から修正)を超えたものの、1973年11月24日以来の低水準に並んだ2015年10月24日週の25.6万件を視野に入れた水準を保つ。米労働省は特殊要因を指摘していないが、今回の結果について「30万件割れは54週連続で、1973年以来で最長」とのコメントを寄せた。4週平均は26万8000件と、前週の26万7250件から増加したが、2015年11月28日週以来の27万件割れをたどる。なお、2015年10月24日週は25万9250件で、1973年12月以来で最低となった。

3月5日週までの継続受給者数は223.5万人と、前週の222.7万人から増加した。2000年11月以来の低水準を記録した2015年10月24日週の214.6万件(修正値)を上回る水準をたどる。被保険者に占める失業者の割合は2週連続で1.6%となり、1971年以来の水準をつけた。

米新規失業保険申請件数、2015年10月以来の低水準。

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(作成:My Big Apple NY)

州別で増加が目立ったのは、アラバマ州で732人増、テキサス州で707人増と南部がそろった。またイリノイ州(696人増)、ミシガン州(575人増)と、北部も多い。最も減少が顕著だった州はニューヨーク州で1万7555人減となり、前週の増加分をほぼ打ち消した。輸送、倉庫、宿泊・外食、教育が牽引したという。そのほか、北東部で目立ちマサチューセッツ州(881人減)、コネチカット州(844人減)、ニューハンプシャー州(683人減)と続いた。北東部以外では、カリフォルニア州が1288人減と大きく落ち込んでいた。

――米新規失業保険申請件数が低水準をたどり、米労働省によると30万件割れの最長記録は1973年以来で最長という快挙を成し遂げています。雇用統計のサンプル週に4週平均は前週から増加したとはいえ、2月の当該週より4750件と小幅ながら改善したことも好材料。米3月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)も堅調な増加ペースが続く期待が高まります。春の到来に合わせ製造業の回復の兆しをみせているのも、注目。米3月NY連銀製造業景況指数や米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が長い冬を潜り抜け分岐点を回復しており、低調だった製造業にも雇用の裾野が広がる可能性を点灯させています。

▽米2月景気先行指数、米新規失業保険申請件数が支え3ヵ月ぶりに上昇

米2月景気先行指数は前月比0.1%上昇の123.2となり、市場予想の0.2%に届かなかった。前月の0.2%の低下は上回り、3ヵ月ぶりにプラス圏を回復している。内訳をみると、4項目が寄与しており前月と変わらず。今回は長短金利スプレッドが引き続き全体を引っ張っている。そのほか、今回は米新規失業が上昇に転じ伸びを牽引した。そのほか信用、消費財受注も、それぞれ前月からプラスに転じている。一方で、平均労働時間は横ばい。非防衛財受注、消費者見通し、建築許可はマイナスに転じた。株価指数は3ヵ月連続で、ISM新規受注は低下トレンドを維持した。

一致指数は0.1%上昇の113.3となり、3ヵ月連続で上昇。遅行指数は0.4%上昇の120.4と上昇トレンドを維持した。

発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「株価指数や消費者見通しなど、弱さの主因」と指摘する。ただ楽観的なトーンを維持し「6ヵ月平均値は足元で減速したとはいえ、短期的に景気後退入りのサインは点灯していない」と結んだ。

景気先行指数、前年比は景気回復期の平均2.2%以下。
LEI
(作成:My Big Apple NY)

▽米10−12月期経常収支、約7年ぶりの赤字水準へ拡大

米10−12月期経常収支は1253億ドルの赤字となり、市場予想の1180億ドルの赤字を上回った。少なくとも2008年10−12月期以来の高水準を示した7−9月期の1299億ドルの赤字(1241億ドルから修正)からは、3.5%減少している。ただ基礎的財政収支(過去の債務に絡む元利払い以外の支出と、公債発行などを除いた収入)が428億ドルと、前期の454億ドルを下回り前年同期からも大幅に落ち込んだため、市場予想を超える経常赤字を計上している。10−12月期の経常赤字は国内総生産(GDP)比2.8%となり、前期の2.9%から改善した。

――景気先行指数は3ヵ月ぶりに上昇したとはいえ、前年比での伸びは足元で鈍化中。米景気後退のリスクは低いにしても、ニュー・ノーマルすなわち低成長時代を迎えた事実を物語ります。経常収支のうちプライマリ・バランスの鈍化も、所得税や法人税が予想ほど伸びていない可能性をちらつかせます。

(カバー写真:Maurice Brooks/Flickr)

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