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米8月フィリーは見通しが上昇、米7月鉱工業生産は製造業が軟調

by • August 18, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1536

Philly Manufacturing Outlook Brightens In August.

米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米7月鉱工業生産、米7月住宅着工件数をおさらいしていきます。

米8月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は18.9となり、市場予想の18を上回った。ただし前月の19.5以下にとどまり、1983年11月以来の高水準を遂げた2月の43.3から引き続き遠ざかっている。内訳をみると、ヘッドラインより力強い。新規受注と出荷、平均労働時間は前月から20ポイント近くも急伸。一方、雇用が前月から低下したほか、在庫は分岐点を割り込んだ。詳細は、以下の通り。

フィリー、ISM製造業景況指数と相関性はNY連銀より高い傾向。

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(作成:My Big Apple NY)

・新規受注 20.4>前月は2.1、6ヵ月平均は15.9
・出荷 29.4>前月は12、6ヵ月平均は27.6

・雇用 10.1<前月は10.9、6ヵ月平均は9.3
・週当たり平均労働時間 18.8>前月は3.8、6ヵ月平均は17.0

・受注残 14.5>前月は7.2、6ヵ月平均は14.0
・入荷時間 10.5>前月は7.4、6ヵ月平均は11.0

・仕入れ価格 21.1>前月は19.1、6月平均は27.1
・販売価格 13.5>前月は9.0、6ヵ月平均は

6ヵ月先見通し指数は42.2と、前月の36.9を上回り前月4ヵ月ぶりの高水準だった。ただ2003年9月以来の高水準を達成した2月の59.5は、下回る。内訳をみると、新規受注や出荷、受注残、在庫、雇用など幅広く上昇。ただし設備投資は前月を下回った。

▽米7月鉱工業生産、公益が支え2ヵ月連続で上昇

米7月鉱工業生産指数は前月比0.2%上昇し、市場予想の0.3%を下回った。もっとも前月の0.4%を含め、2ヵ月連続でプラスに。米7月新車販売台数が前年割れを続けるなか自動車が大幅低下したが、そのほかコンピューター、公益が堅調だった。稼働率は76.7%と市場予想並びに前月と一致し、2015年7月以来の水準を保つ。ただ、リセッション前の80%に距離を残す。

内訳をみると、製造業(全体の78.5%)は自動車と機械が重石となり軟調。自動車を除いた製造業は0.2%の上昇となった。一方で公益(全体の10.8%)は気温の上昇に伴い、冷房需要が高まったため回復している。鉱業(全体の10.8%)は原油価格が50ドル割れで推移する環境を受け、前月から伸びを狭めた。

・製造業 0.1%の低下<前月は0.2%の上層、6ヵ月平均は±0%
自動車 3.6%の低下<前月は0.8%の低下、6ヵ月平均は0.8%の低下
機械 0.1%の上昇<前月は1.3%の上昇、6ヵ月平均は0.5%の上昇
コンピューター/電気製品 0.6%の上昇>前月は0.1%の低下、6ヵ月平均は0.1%の上昇

・公益 1.6%の上昇>前月は1.2%の低下、6ヵ月平均は1.1%の上昇
電力 1.9%の上昇>前月は0.4%の低下、6ヵ月平均は1.1%の上昇
天然ガス 1.1%の低下>前月は7.0%の低下、6ヵ月平均は1.8%の上昇

・鉱業 0.5%の上昇<前月は2.0%の上昇、6ヵ月平均は1.2%の上昇

鉱工業生産、回復の芽は伸びつつあるもまだ限定的。
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(出所:My Big Apple NY)

――8月のフィリーの見通しが良好だった半面、鉱工業生産は改善のペースが鈍りつつあります。7~9月期GDPで前期に続き企業投資の一部である機器投資が成長を支えるでしょうが、寄与度が低下する可能性も。ただアトランタ地区連銀は16日時点で米4~6月期GDPの予測値を3.7%増としており、NY連銀の予測値2.0%増を遥かに上回るもののトランプ政権が目指す3%成長を達成する期待を残します。

▽米7月住宅着工件数、複合住宅が重石となり減少

米7月住宅着工件数は率111.5万件と、市場予想の122.0万件を下回った。前月の121.3万件(121.5万件から下方修正)を4.8%下回り、金利が低下中ながら減少に反転。景気後退以前のレベル回復という快挙を遂げた2016年10月の132.8万件でピークアウト感が漂いつつ、レンジとしては上限を維持している。前年比では5.6%減と、3ヵ月ぶりに減少に転じた。

内訳をみると、一戸建てが前月比0.5%減の85.6万件と前月の7.4%増から減少に転じた。過去6ヵ月間で4回目の減少を示す。複合住宅は15.3%減の29.9万件となり、3ヵ月ぶりに減少し下げ幅は直近で最大となる。一戸建ての前年比は10.9%増と11ヵ月連続で増加した一方、複合住宅は15.3%減と5ヵ月連続で増加した。

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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別では、1地域のみで増加し前月の3地域を下回った。複合住宅が集中する北東部が15.7%減の12.9万件と3ヵ月ぶりに減少したほか、中西部も15.2%減の17.9万件と前月から減少に反転した。IT産業が集まる西部は1.6%減の31.5万件と、4ヵ月ぶりに減少している。住宅市場の規模が最大の南部のみ、0.6%増の53.2万件と小幅ながら改善した。

米7月建設許可件数は122.3万件となり、市場予想の125万件を下回った。前月の127.5万件(125.4万件から上方修正)を4.1%下回る。内訳をみると、一戸建てが±0%の81.1万件、複合住宅は11.2%増の41.2万件とげ章に転じた。

米7月建設中件数は前月比0.2%減の106.3万件と、前月の106.5万件を下回った。一戸建てが0.4%増の117.7件だった一方、複合住宅は0.7%減の36.1万件と5ヵ月連続で減少した。

(カバー写真:Garen M./Flickr)

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