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10月の小売売上高と消費者物価指数、12月利上げシナリオに整合的

by • November 15, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off992

What’s The Scenario? Retail Sales And Consumer Price Index Call A December Rate-hike.

米10月小売売上高、米10月消費者物価指数をおさらいしていきます。

米10月小売売上高は前月比0.2%増と、市場予想の±0%を上回った。ハリケーンの反動もあって2015年3月以来の高水準を記録した前月の1.9%増(1.6%増から上方修正)を含め、2ヵ月連続で増加。前月に続き、米10月新車販売台数が加速したように自動車関連が牽引している。自動車を除いた場合は0.1%増と、市場予想の0.2%増に届かず。もっとも2015年3月以来の高水準となった前月の1.2%増(1.0%増から上方修正)を含め、4ヵ月連続で増加した。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.3%増となり、前月の0.4%増を下回った。

小売売上高、前年比では小売売上高のコントロールはレンジ内。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中で7項目がプラスとなり前月の11項目から減少した。今回は。米9月新車販売台数が加速したため、自動車も大幅増加し2011年9月以来の伸びを遂げた。建築/園芸も、ハリケーン需要が支え7ヵ月ぶりの強い伸びを示した。一方でiPhone 8の発売こそ9月22日だったが、iPhoneXの発売が11月に遅れる事情もあって電化製品、そのほか雑貨、家具、健康などが減少した。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・ヘルスケア→0.8%増>前月は±0%、6ヵ月平均は0.2%増
・外食→0.8%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.3%増
・服飾→0.8%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.2%増
・自動車/部品→0.7%増>前月は4.6%増、6ヵ月平均は0.9%増

・電気製品→0.7%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.4%減
・家具→0.7%増>前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.4%増
・食品/飲料→0.7%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.3%増

・雑貨→±0%<前月は1.0%増、6ヵ月平均は±0%
・スポーツ用品/書籍/趣味→±0%<前月は1.5%増、6ヵ月平均は0.2%減
・一般小売→±0%<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.2%増
(*百貨店は0.2%増>前月は0.3%減、6ヵ月平均は±0%)

(マイナス項目)
・非店舗(オンライン含む)→0.3%減<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.2%増
・ガソリン・スタンド→1.2%減<前月は6.4%増、6ヵ月平均は0.6%増
・建築材/園芸→1.2%減<前月は3.0%増、6ヵ月平均は0.7%増

――10月も底堅い数字を遂げ、個人消費が引き続き成長を牽引する姿が現れています。減少した項目もハリケーンの影響で価格が跳ねたガソリン・スタンドのほか非店舗、さらに住宅販売件数の伸び悩みを反映した建築・庭園にとどまりました。11月はiPhone Xの発売やホリデー商戦という助け船もあり、足元の気温と違って消費が急速に冷え込むリスクは極めて低そうです。

▽米10月CPI、コア前年比は低迷脱却

米10月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%の上昇となり、市場予想と一致した。9ヵ月ぶりの強い伸びとなった前月の0.5%を含め、4ヵ月連続で上昇している。前月からの鈍化派、8月末にハリケーン“ハービー”、9月初旬に“イルマ”が直撃した影響で急伸したガソリンが落ち着いた値動きへ戻したため前月の12.6%の上昇から2.3%低下したため、エネルギーは9月の6.1%の上昇から1.0%の低下に転じた。3ヵ月ぶりのマイナスを示す。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は9月に一時2.685ドルと2014年12月以来の水準へ高騰、その後はハリケーンの通過に伴い10月に2.479ドルへ押し返された。一方で食品・飲料は±0%となり、上昇トレンドを3ヵ月連続で止めた。

CPIコアは前月比0.2%上昇し、市場予想と一致した。前月の0.1%を上回る。項目別では、サービスが0.3%上昇し7ヵ月連続でプラスを示した。帰属家賃が前月の0.2%から0.3%へ上昇したほか、家賃も前月の0.2%から0.3%となった結果、住宅が0.3%の上昇と前月の0.2%を超えた。ガソリン価格が急伸した半面、輸送は0.5%の低下、前月の上昇を完全に打ち消し3ヵ月ぶりのマイナスを示す。もっとも、航空運賃は前月の0.6%上昇し3ヵ月ぶりに改善。ハリケーン後の需要回復を支えに中古車も0.7%の上昇、10ヵ月ぶりにプラスへ転じている。教育は前月の0.1%から0.3%へ上昇した。逆に新車は0.2%低下し2ヵ月連続で弱かった。医療費は±0%と、前月の0.8%の低下から改善。服飾は0.1%と2ヵ月連続で低下した。娯楽は0.1%低下、上昇基調を3ヵ月で止めた。

CPIは前年比で2.0%上昇し、市場予想と一致しつつ前月の2.2%を下回った。コアCPIは1.8%上昇、前月まで5ヵ月連続で2015年5月以来の低水準となる1.7%だったが、漸く上向きに転じた。

CPI、エネルギーのほか娯楽、教育以外は伸び悩み。

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(作成:My Big Apple NY)

――今回の結果を受け、バークレイズは米10~12月期実質GDP成長率予想を従来の2.5%増から2.5%増へ上方修正しました。小売売上高とCPIが底堅いだけに、12月利上げに方向性が転換する可能性は低い。トランプ政権は何かと批判が多いものの、米大統領選後の力強いセンチメントに加え安定した原油価格、ハリケーン後の反動需要も重なって10~12月期も3%成長を達成する機運が高まります。貯蓄率の低さに加え、自動車ローンやクレジットカードの延滞率が不気味に上昇しつつありますが、リスクが影を差すのは年明けとなりそうですね。

(カバー写真:Roderick Eime/Flic

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