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米7月住宅着工件数は予想外に減少も、建設許可件数は年初来で最高

by • August 18, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1718

Housing Starts Decline 3-Month In A Row, But Construction Permits Hit Highest In The Year.

米7月住宅着工件数は年率119.1万件と、市場予想の125.6万件に届かなかった。前月の124.1万件(126.9万件から下方修正)を4.0%下回り3ヵ月連続で減少した結果、5ヵ月ぶりの低水準となる。米10年債利回りが一時2016年10月以来の2%割れを迎えるなかでも、用地不足や人手不足が影響したのか、米8月NAHB住宅市場指数が上向いた割に、弱い流れを保つ。ただし、足を引っ張ったのは前月に続き複合住宅だった。前年比では0.6%増と、5年初来で3回目の増加となった。

内訳をみると、一戸建てが前月比1.3%増の87.6万件と過去5ヵ月間で4回目の増加となった。一方で、複合住宅は16.2%減の31.5万件と2ヵ月連続で減少した結果、2017年8月以来の水準へ落ち込んだ。前年比は一戸建てが1.9%増と、2ヵ月連続で減少。複合住宅は24.5%増と、3ヵ月連続で増加した。4大地域別では、1地域で増加し前月と変わらず。複合住宅の比率が大きい北東部が前月の反動もあって13.8%減と2桁減だったほか、中西部も前月の2桁増から6.2%減と減少に転じた。南部は前月の2桁減に続き4.3%減となる。一方で、西部は3ヵ月ぶりに増加し1.3%増だった。

住宅着工件数、リセッション前の水準には遠いながら安定的に推移。

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(作成:My Big Apple NY)

米7月建設許可件数は133.6万件となり、市場予想の127万件を上回った。前月の123.2万件(122.0万件から上方修正)を8.4%上回り、年初来で最高となった。内訳をみると、一戸建てが1.8%増の83.8万件と3ヵ月連続で増加したほか、複合住宅は21.8%増の49.8万件と3ヵ月ぶりの水準を回復した。

米7月建設中件数は0.5%減の113.4万件と、前月の114.0万件を下回った。2007年12月以来の高水準となった116.3万件以下が続くものの、高水準を保つ。一戸建てが0.6%減の51.9万件と5ヵ月連続で減少した一方で、複合住宅が1.5%増の61.6万件と2ヵ月連続で増加した。

建設許可件数は年初来で最高、建設中件数は小幅減も高水準を維持。

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(作成:My Big Apple NY)

――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が住宅市場に流入すると試算されるため、65.7万件が販売向けとなる見通しです。足元の新築販売件数を小幅ながら上回るため、在庫逼迫の解消に時間が掛かる公算が大きい。ただし、金利低下を背景に許可件数が大きく改善しています。また、今回の減少はNY州でマンション税が7月から引き上げられた反動も含みます。南部と中西部での減少は気掛かりながら、住宅市場が今後回復するか、消費者の購買力と建設業者の人手不足などの問題解決に掛かっています。

(カバー写真:Eric Haglund/Flickr)

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