Millennials And Gen Z Bought Homes In Q4, According To Household Debt Data.
NY連銀が発表した2019年10~12月期の家計債務は、12期連続で過去最大を更新しました。では、年齢別比率でどうなったのか、みていきましょう。
今回、家計債務比率はミレニアル世代(1981~96年生まれ)後期とジェネレーションZ世代(1997~2012年生まれ)の若い世代で上昇し、金額ベースでは18~29歳で初めて1兆ドルを突破しました。住宅ローン残高が過去最大を記録しただけでなく組成額が2007年以来の高水準だったところ、若い世代で住宅保有率が改善するように住宅購入に踏み切った若者が増えたためです。逆に、60歳以上の高齢層では減少していました。10~12月期は、ボーナスの支給などを背景に住宅購入のインセンティブが働くとみられるほか、年末商戦効果で若者のシェアが上昇、高齢者で低下する傾向があるとはいえ、今回は顕著です。
・18~29歳 前期比7.6%増(3期連続で増加)の1.04兆ドル、全米比率 7.4%(2016年10~12月期以来の高水準)
・30~39歳 前期比2.7%増(3期連続で増加)の3.00兆ドル、全米比率 21.2%(2009年10~12月期以来の高水準)
・40~49歳 前期比1.6%増(11期連続で増加)の3.56兆ドル、全米比率 25.2%(前期から若干上昇)
・50~59歳 前期比0.2%増(4期連続で増加)の3.26兆ドル、全米比率 23.1%(2004年10~12月以来の低水準)
・60~69歳 前期比0.1%減(3期連続で減少)の2.14兆ドル、全米比率 15.1%(2013年10~12月期以来の低水準)
・70歳以上 前期比1.1%減(3期連続で減少)の1.13兆ドル、全米比比率 8.0%(1年ぶりの低水準)
年齢別で債務ごとの比率は、以下の通り。引き続き40歳以上は住宅ローンが約7割を占め、完済が近い事情もあって引き続き、ホーム・エクイティローンは高齢者ほど比率が高くなりました。ただし、若者の間で住宅ローン比率が上昇しており、住宅購入に踏み切ったが様子が見て取れます。18~29歳は前期の35.6%→37.6%、30~39歳も65.0%→65.3%へ上昇しました。
住宅ローンの組成額では、全ての年齢で増加しました。軒並み2桁増を記録し、金融危機前の2005年頃でもみられなかった現象が発生しています。
・18~29歳 前期比44.5%増の658億ドル
・30~39歳 前期比34.0%増の2,101億ドル
・40~49歳 前期比46.3%増の2,085億ドル
・50~59歳 前期比48.4%増の1,438ドル
・60~69歳 前期比56.7%増の885億ドル
・70歳以上 前期比16.4%増の345億ドル
住宅ローンの組成額ベース、年齢別では以下の通り。
自動車ローンの組成額は、住宅ローンと反対にシェアリング経済を反映し若者で減少、中高齢者の間では50~59歳を除き小幅ながら増加あるいは横ばいにとどまりました。
・18~29歳 前期比1.2%減(3期ぶりに減少)の253億ドル
・30~39歳 前期比2.1%減(3期ぶりに減少)の332億ドル
・40~49歳 前期比1.4%増(増加に反転)の357億ドル
・50~59歳 前期比11.8%増(4期連続で増加)の310億ドル
・60~69歳 前期比7.5%増の203億ドル
・70歳以上 前期比横ばい(前期は減少)の102億ドル
自動車ローンの新規組成額の年齢別は、以下の通り。
深刻な延滞率(90日以上)は、年末商戦とあって全米で2.35%と前期の2.26%を超え、1年ぶりの高水準でした。年齢別では以下の通りで、高齢になるに従い上昇が著しくなっています。
・18~29歳 前期は4.19%と2006年7~9月期以来の低水準→4.30%
・30~39歳 前期は2.77%→2.77%と207年4~6月期以来の低水準を維持
・40~49歳 前期は2.36%→2.47%と2016年1~3月期以来の高水準
・50~59歳 前期は2.05%と5期ぶりの低水準→2.06%
・60~69歳 前期は1.42%→1.56%と2014年10~12月期以来の高水準
・70歳以上 前期は1.32%→1.64%と1年ぶりの高水準
――年齢の債務動向をみると、ヒップスタービアという言葉が浸透するように活発な若者の住宅購入を確認できました。その一方で、高齢者の間で延滞率が不気味にジワリと上昇中。まだまだ警戒レベルに程遠いながら、景気減速局面で上振れするリスクがないとは言い切れず。膨大な企業債務と合わせ、FRBが緩和的な政策を続けざるを得ない実態が垣間見れます。
(カバー写真:Michelle/Flickr)
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