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米2月消費者信頼感指数、07年8月以来の高水準から減速

by • February 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1644

Consumer Confidence Slides From Multi-Year High In February.

米2月消費者信頼感指数は96.4と、市場予想の99.5を下回った。2007年8月以来の高水準だった前月の103.8(102.9から上方修正)から、大きく低下している。現況指数も110.2と、前月の113.9から低下。見通し指数も前月の97.0から87.2へ急落している。原油安一服とともにガソリン価格が上昇し始めており、センチメントを押し下げた。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・経済指標ディレクターは、今回の結果に対し「前月から低下したとはいえ、リセッション前の水準(2007年9月は99.5)を上回った」と評価。現況指数は全般的に「ポジティブ」な内容で、「短期的な見通しが低下したのみ」と論じており、「消費者は経済が現状のペースで拡大するとの見方を有している」とまとめた。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「ガソリン価格の上昇が低下を促したとみられインフレ見通しも約4年ぶりの低水準だった1月から上昇していた」と振り返っている。

ガソリン価格、約6年ぶり低水準から上昇に反転。

Regular_Gasoline_Prices
(出所:EIA)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIがマイナス5.7となった。少なくとも2008年2月以来の水準へ改善した1月のマイナス3.9から縮小している。見通し指数は、労働市場をはじめビジネス環境と所得そろって楽観度が後退した。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」がそろって低下
「良い」26.0%→前月の28.2%から低下、前年同月は21.2%
「悪い」17.0%→前月の17.3%から低下、前年同月は22.0%

労働市場については、「豊富」が低下し「困難」が上昇
「職が豊富」20.5%→前月の20.7%から低下、前年同月は13.4%
「職探しが困難」26.2%→前月の24.6%から上昇、前年同月は32.4%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」が低下し「悪化する」が上昇
「良くなる」16.1%→前月の18.9%から低下、前年同月は17.3%
「悪化する」8.7%→前月の8.2%から上昇、前年同月は13.6%

6ヵ月先の労働市場への見方は、「増加」と「減少」が低下
「雇用が増加する」13.4%→前月の17.3%から低下、前年同月は13.7%
「雇用が減少する」14.3%→前月の14.8%から低下、前年同月は20.9%

6ヵ月先の所得への見方は、「増加」が低下し「減少」が上昇
「増加する」15.1%→前月の19.5%から低下、前年同月は15.8%
「減少する」12.0%→前月の10.8%から上昇、前年同月は13.4%

購入見通しは、上昇が優勢。住宅が5.6%と3ヵ月ぶり高水準だったほか、主要機器も45.8%と足元で最低だった前月の44.4%を上回った。自動車のみ11.0%と前月の13.1%以下にとどまった。

——見通し指数の低下をはじめガソリン価格が影響したと考えられる半面、労働市場を中心に大きく楽観が後退している点は注意したい。米1月チャレンジャー人員削減予定数が大幅増加した上に、ドル高で企業業績が圧迫されるようでは企業が雇用を拡大し賃金を引き上げていくかは不透明です。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げも年内に迫り金利が上昇する懸念もあり、消費者は現状にようやく気づき始めたと言えるでしょう。

(カバー写真:Rick Wilking/Reuters)

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